引き算より足し算、割り算より掛け算

丹下坂心理カウンセラー

2018/7/20

当時私は、小学校の教員をしていました。
算数のテストや授業の様子を見ていると、ふと疑問に思うことがあったので、子どもたちに聞いてみました。

「計算好きな人?」
ほとんどの子が手を挙げます。

「じゃ、足し算が好きな人?」
これも、ほとんどの子が手を挙げます。
「引き算が好きな人は?」
明らかに、足し算の時より数が減ります。

「掛け算が好きな人は?」
簡単な掛け算なら好き、という声がちらほら。
「じゃ、割り算は?」
嫌い。

どおりで、テストをやっても、足し算と掛け算は正解を出す子が多いけれど、
引き算と割り算となると、そうはいかない。
「嫌い」なんだ。

じゃ、なぜ、引き算と割り算が嫌いなのか?
単純な疑問が沸いてくる。
子ども達に聞いてみる。

「だって、引き算も割り算も数が減るでしょ?
減るより増えた方が好き。だから、引き算と割り算は嫌い。」
実に感心する答えが返ってきた。

実はこれ、大人にも共通するものがあると感じている。

カウンセリングをしていると「自分を変えたい」という相談をよく受ける。
人前で緊張して話せないから自分を変えたい。
いつも自分の意見を言えないから言えるようになりたい。
思ったことをすぐに口走ってしまうから、そんな自分を変えたい、など。

本当に人前で緊張して話せない自分を捨て去ってしまってもいいのだろうか?
緊張するということは、話す準備ができているからこそ、緊張するはずである。
それが、なんの緊張もないと、聞き手を気遣うこともなく、言葉遣いも普段のまま。
過度な緊張をしなければいいだけであって、ある程度の緊張は必要なはずである。

いつも自分の意見を言えないのは、悪いことだろうか?
自分の意見を言わずにやり過ごして、その場がまるく収まった経験はないだろうか?
意見が言えないということは、聞く時間が長いことも意味する。話好きの人をとても満足させることができているのではないだろうか?
そう考えると、意見を言えないことは、あながち悪いことでもなさそうだ。

思ったことをすぐに口走ってしまうのは、よくないことだろうか?
聞き手には「自分はこういうことを考えていますよ、思っていますよ」
ということが、とてもよく伝わるのではないだろうか。
また、言い過ぎたのであれば、「しまった!」という思いが表情に表れているはずなので、
その時点で聞き手には、こちらの申し訳ないという思いが伝わっているものである。

こう考えていくと、今の自分の持っている「変えたい」という面には、プラスの側面もあることがわかる。ならば、自分からせっかくのそのプラスを除く、つまり「引き算」をする必要はなくなる。

むしろ、今までの自分を変えずに、過度に緊張をしない自分、何か言いたい時には言える自分、抑えた方がいい場面では自分を出さない自分という、新たな自分を作って加えた方がいいのではないだろうか。
そう、つまり、今の自分に「足し算」をする。

それができないから悩んでるんだって!
そういう声が聞こえてくる。
それは、悩んでいるあなたの仕事ではないはず。
プロの手を借りて、解決していく問題。

そう、自分に人の知恵を「足し算」すればいいだけ。
今の自分+新たな自分=もっと幸せな自分

 

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