大切なこころの相棒

丹下坂心理カウンセラー

2019/1/29

現在スクールカウンセラーとして、月に何度か学校へ車で出勤しています。

準備をしていると窓の外は猛吹雪。つい5分ほど前までは晴れ間がのぞいていたのに、あっという間に、向かいの家も見えないほどの雪が舞っています。

車に乗って外気温度計を見ると「-7℃」。ただでさえエンジンをかけたばかりの車内は寒いのに、その温度はさらに寒さに拍車をかけます。
「寒いっ!」
ぶるっと体が勝手に反応します。体を震えさせることによって体内から熱を発生させようとする、いわば人間の生物学的で自然な行動です。

これは体だけに起きる現象でしょうか?
何かに不安を抱いた時、色々な思いが頭を駆け巡ることはないでしょうか。そして、その不安を払しょくするために、人に話をしたり、最悪の事態を避けるべく何かの策を講じたり、あるいは、どうしていいのかわからずただウロウロしてしまう時もあるかもしれませんね。

これらには必ず「大切にしたい何か」が奥にあります。

寒くて体がぶるっと震えてしまう時に大切にしたいものは「体」です。風邪を引いたりして体調を悪くしたくないわけです。「健康」を大切にしていると言ってもいいでしょう。

では、不安を抱いている時はどうでしょう?
不安が強ければ強いほど、「大切にしたい何か」への思いは強いのではないでしょうか。「守りたいものがある」という言い方の方が適切な場合もあるかもしれません。

「将来に対しての漠然とした不安があります」
これはカウンセリングでもよく聞かれる言葉です。本人が自覚している部分は少ないので、「漠然とした不安」という表現になるのでしょう。

お話を聞いていくと、
「今の仕事をずっと続けていってもあまり得るものもないし、かといってこの歳で会社を辞めても・・・」
「家族がいるので自分一人の考えでは・・・」
「将来なりたいものが決まっていない、だから進路を決められない」
など、自覚している(自分の意識領域にある)「漠然とした不安」が、人に話をすることによって具体的になっていきます。つまり、自覚できる部分が増えていく分、不安が減っていくわけです。

「何に対して不安かわからなかった」ことが更なる不安を大きくしているケースです。自分の無意識領域が意識領域に上がってきて「何に対して不安になっているかわかる」だけで不安な気持ちはだいぶ収まり、そして「不安=大切にしている何かに気づく」と、不安の度合いはさらに小さくなります。

そこまでいくと、ぶるっとした時のように、あとは体が勝手に反応していきます。
ぶるっと寒気がした時は「健康」を大切にしている、だから、ストーブをつける、暖かいものを飲む、早めに寝るなど。
「何に対して不安を抱き」「大切にしていることは何か」がはっきりすると、勝手に行動が決まるわけです。

漠然とした不安がある時は、「不安を抱くことによって自分はどんなことを大切にしたいのだろう?」そう問いかけてみると、不安の度合いは減っていきます。
不安の対象がはっきりしている人も同じです。
自分が押しつぶされそうなほどの不安がある時は、絶対に「守りたいもの」があるはずです。その「守るべきもの」があなたの行動を後押ししてくれるはずです。

不安は悪いものではありません。むしろ、今の自分の大切にしていること(もの)気づかせてくれる「大切なこころの相棒」です。

あなたが「大切にしていること(もの)」は何ですか?
あなたが「守りたいこと(もの)」は何ですか?

 

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