「本音を言う」は危ない

高島心理カウンセラー

2020/2/6

家族だったり、職場だったり、人間関係を決定的に悪くするものに「本音を言う」があります。
人によっては、表現が違うこともあります。
たいてい、こんな枕詞で始まるでしょうか。

「本音を言わせてもらうと、…」
「本当のことを言うと、…」
「はっきり言わせてもらうと、…」

今回、自身の体験を「カウンセラーのつぶやき」に載せてくださいと言ってきたクライアントさんは30代の女性。
彼女はご主人に、「本音を言う」を何度か繰り返し、そして夫婦関係が完全に冷え切る一歩手前まで行っていました。

「はっきり言わせてもらうけど、あなたの安い給料で家族が暮らしていけるのは誰のおかげだと思ってるの!?」
「本当のことを言うと、私じゃなくてあなたが仕事を辞めればよかったのよ。能力ないくせに威張ってばかりいて…」

すっと我慢をしてきたけど、一生この我慢が続くのかと思うと、悔しくなったり虚しくなったりしたそうです。
そして、自分ばっかり我慢を続けるのは不公平だと感じるようになり、ついに「本音を言う」ようになったと。

ここで大切になってくるのは、「本音」の部分。
それが、本当に彼女の「本音」なのかということです。

答えを先に言ってしまうと、一般的に、こういう場合の「本音」というのは、本当の思いではありません。
そうではなく、相手が確実に傷つくであろう言葉。
つまり、「本音を言います」というのは、「あなたが傷つくことを言います」という意味。
決して、本当の私の思いを言うことにはならない。
なぜなら、こころについてある程度学んだことのある方ならご存知の通り、通常「本音」というものはなかなか自覚されないからです。


さて、彼女のカウンセリングを進めていく中で明らかになったのは、一生懸命に妻業、そして母業をこなしている自分。
夫と娘、家族みんなが笑顔で過ごせるように、家事を頑張り、家庭の雰囲気にこころを配っている。
やりくりについては、相当努力している。
胸を張ってもいい。
なのに、誰もそれを認めてくれない…。
何より、彼に喜んでもらいたくてやっているのに、その彼がそのことを認めてくれない。

ここまで気づくと「そうそう。そうなの、そうなの」と納得感が出てきます。
忘れていたものが思い出されたような感覚。
これだけでも、かなり気持ちが安定してきます。
なぜなら、明らかになっていなかった「本音」に気づけたわけですから。
頑張っている自分に気づくことで、自然と自分をねぎらう思いが出てきたのでしょう。

さらに、彼に認めてほしいということは、それだけ彼が大切な存在なんだということも明らかになってきます。
ここは大事なポイントです。
この思いに気づけるかどうかで、コミュニケーションが大きく変わってきますから。

先に、一般的に「本音を言う」というのは、「あなたを傷つけます」という意味だと述べました。
これはきっと、本当は相手を傷つけたいわけではないんです。
そうではなく、相手が傷ついても、それでも傷つかない自分を感じたいんです。
そうすれば、自分は間違っていないと感じることが出来ますから。
つまり、相手が間違っていると主張したいのではなく、本当は正しいと認めてほしいだけなんです。

以下、彼女がご主人に伝えた、本当の思いです
「私は、家事に育児に一生懸命頑張っています。本当に頑張っています。特にやりくりに関しては、ものすごく頑張っています。胸を張っていいいレベル。そして、こんなにも頑張るためにいろんなものを犠牲にしています。化粧品も、習い事も、お付き合いも…。でもそれは、愛するあなたと娘のためだから。大切なあなたたちのためだから、頑張れます。そして、できることなら喜んで頑張れる自分でいつもいたいと思います。そのためには、あなたの助けが必要です。『よくやってるな』『いつもありがとう』私の努力に気づいたら、必ず言葉にしてくれますか? 誰でもない、愛するあなたに認めてほしいんです。」
 

「本音を言う」前に。
そもそも、自分の本音に気づいておきたいですね。

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