こころ塾だより

怒りの感情との向き合い方

丹下坂心理カウンセラー
高島心理カウンセラー

2018/02/08

前回、そして今回とこころ塾では、怒りの感情との向き合い方について学んでいます。
「向き合い方」です。

怒らないようにするのではありません。
また、怒りをコントロールするのではありません。
怒りの感情の抑圧は、問題の先送りどころか、自身を深く傷つけることになります。

そうではなく、怒りの感情がわいたことに気づいたら、呼吸に立ち止まる。
怒りを抱えたまま話したり、行動をしないという実践です。

シンプルですが、なかなかに難しいことでもあります。
「怒りで我を忘れる」といった言葉があるように、
怒りがわいたら、そのあとの言動はまるで自動操縦のように進んでいくといった経験は誰もがあるのではないでしょうか。

一般的に、怒りはネガティブな感情に分類されますが、本来ニュートラルなものです。
怒りのエネルギーに任せた振る舞いが相手を、そして自分を傷つけ、不快ダメージを与えてしまうのです。
その怒りに任せた振る舞いが出そうになったら、あるいは出ている最中でも、怒りに気づいた時点で呼吸に立ち止まる勇気を持つ。

マインドフルな呼吸をしながら、自分の怒りを認め、抱きしめ、深く見つめる。
自分が期待していたこと、大切にしている価値観が明らかになっていきます。
それと同時に、気づかなかった相手の思いが見えてきます。

怒りを抱えたとき、人は相手を責めて自分は楽になろうとします。
それは自然なことかもしれません。
ですが、それでは真実から目を閉ざしていることに他ならないのです。

この冬、函館ではずいぶん雪が降ります。
「またこんなに積もった!」
「いったいどれだけ雪かきすればいいんだよ!」
「これ以上積もったらどうしよう…」

一方で、
「効率的な雪かきにチャレンジ!!」
「雪山ででっかいキティちゃんを作りたい!!」
降り積もった雪にブルーハワイのシロップを直接かけて親子で食べたなんていう体験談も受講生から飛び出しました。

怒りや不安を感じようが、反対に喜びや楽しみに満たされようが、降り積もった雪の深さは変わりません。
降り積もった雪をどのように体験するか。
選択する自由を私たちは持っています。

怒りという感情を「変える」必要はありません。
ただ「気づく」だけでいいんです。
気づいて受け入れれば、手放す自由が生まれます。