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ー こころの相談室 ー カウンセリングMaNa
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2018/2/22
マインドフルネスというとどことなく心が安らぐようなイメージがあるかもしれません。
安らいで緊張がほぐれリラックスする。
心が解放される感覚。
怒り、悲しみといった苦しみのない状態。
もちろん、マインドフルネスの実践を重ねることでそのようになっていくのですが、それには必ず開かねばならない扉があります。
言い換えれば、その扉を開けないことには、いくら「今を感じています」と言おうが、いくら瞑想をしようが、安らぎには至りません。
厳しい言い方になりますが、それは見かけのマインドフルネスです。
どんなにきれいな姿勢で長時間瞑想をしても、それがそのまま心の解放につながるわけではありません。
マインドフルネスはいつの間にかあなたを解放する魔法ではないのです。
では、マインドフルネスによって心が解放されていく、そのときに必ず開けなければならない扉とは何か。
それは、痛みです。
見たくない痛みと向き合うことです。
ここで言う痛みとは、もちろん体の痛みも含みます。
そして、心の痛みも。
怒り、悲しみ、怖れといった、知らぬ間に抑圧していたネガティブな感情のことです。
10年、20年、30年と本当に幼い頃に抑圧し、そのまま抱え続けていた感情もたくさんあります。
マインドフルネスの実践はそれらに気づくことでもあるのです。
マインドフルネス瞑想は気づきの瞑想と呼ばれるくらいですから。
長年抱えていた心の痛みに気づくというのは気持ちのよいものではありません。
正確には、気づいてしまえばいいんです。
そうすれば楽になります。
気づきが解放を生むんです。
ですが、その気づきに至る手前。
「何かある⁉」
痛みとなっているものがあると感じるとき。
出来れば向き合いたくないと誰もが思うことでしょう。
得体のしれないものが出てきそうで、恐怖を覚えるんです。
そして、こここそが扉なんです。
この扉を開いた先に、痛みからの解放があります。
逆説的に聞こえますが、見たくない痛みに向き合う以外に、苦しみからの真の開放はないんです。
これは歯の痛みとおなじことです。
歯が痛いときは、歯医者に行って治療すると思います。
その治療は、痛い歯を直接いじることではないでしょうか?
痛い歯に触れずに治すことはできません。
もちろん、痛い歯に触れずにおくことはできます。
痛み止めを飲んだり、何かで気を紛らわせたり、気にしないように努めるとか…
ですが、それは単に先延ばししているだけです。
痛いという現実に目をつぶっても、痛みからは解放されないのです。
こころ塾では、実直にマインドフルネス実践をしています。
ですから、見たくない痛みが観えてきた方もいます。
「(今ある感情をマインドフルに観ていったら、しまい込んでいた感情が)ぐちゃぐちゃに広がって、どう整理していいかわからない」という方もいました。
そこで今週のこころ塾では、ぐちゃぐちゃに広がった過去から抱えてきた感情をどう整理するか、
その部分を扱いました。
とは言っても特別な整理方法なんてないんです。
見たくない痛みに向き合う。
見たくない痛みをマインドフルに観る。
ただそれだけなんです。
ですが、これこそが苦しみから解放する唯一の道です。
見たくない痛みに向き合う、この扉を開けることでのみ、自分に痛みを感じさせていたものの正体がわかります。
この正体とは、客観的に存在するものではありません。
現実には存在していないもの、何かが作り出したものです。
その何かとは、自我(エゴ)です。
自我が現実にあった出来事にストーリーを作り、それを本物ように見せて苦しめているのです。
まるで映画のように。
これが観えるようになるから、心が解放されるのです。
痛みを作り出していたもののからくりがわかるので、もうだまされることはなくなるのです。
マインドフルに生きるというのは、現実から目をそらさず生きることとも言えます。
そしてもちろん、現実に目をつぶって生きていくこともできます。
ほとんどの人は現実に目をつぶって生きているわけですが。
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