こころ塾だより

雑念は止めるのではなく止まる

丹下坂心理カウンセラー
高島心理カウンセラー

2018/3/23

呼吸法等の瞑想をすると、思いが次々とわいてくることに気づきます。
いわゆる雑念と呼ばれるものです。

実際には、瞑想を始めたから思いがわいてきているのではなく、日常的に止めどなくわいているのが実態です。
過去のこと、未来のこと、仕事のこと、家庭のこと、あの人のこと…
考えようとしなくても、いつも考え続けているのがほとんどの人の日常です。
思いは自動的にわいてきます。

この自動的にわいてくる思いは無理に止めようと思って止まるものではありません。
止めようとすること自体が、すでに思いだからです。
思いを止めようと思うわけですから、思考の連鎖が続くわけです。
瞑想を始めて、一番最初に悩むのがここではないでしょうか。

前回、そして今回のこころ塾では、この自動的にわいてくる思いをとめるのに、身体の細かな感覚に注意を向けるトレーニングをしました。
身体の感覚を探る瞑想としてはボディスキャンなどが有名ですが、思考が極端に優位になっている我々現代人にはちょっと難しいと思いますので、身体感覚が鋭敏な箇所を手がかりとしてトレーニングしました。
手掛かりになるのは、利き手の手のひらです。

2週続けて取り組んだので、受講生は早くも身体の細かなエネルギーを感じ取れるようになってきました。
そして何より、思い(雑念)が止まる。

コツさえつかめば簡単なことで誰もが体感できます。
ですが、それだけに書物からだけで会得するのは難しいかもしれません。
「何とか体感しよう」
それ自体が思いですから。

雑念は止めるものではありません。
思考の世界を離れた時に、自然と止まるものなのです。
カギは、利き手の手のひらです。