2月Being会のご案内

「対人関係と私のこころ」

高島 昌彦
丹下坂 愛実

こころ塾では、これまで繰り返し、こころは自動的であることを学んできました。
そして、自動的である自分のこころの癖に気づくことで、出来事の受け取り方が変わったり、「自分」という受け止めの幅が広がっていくのを実感してきました。

自分のこころの動きに丹念に気づいていくことを通して、
「感情に振り回されることが少なくなった」
「自分を客観視できるようになってきた」
こんな声が聞かれていますね。
 

一方で、こころが自動的ということは、対人関係もまた自動的だということです。
これは、実際に思い浮かべていただくと早いでしょう。
こんな相手はいませんか?

「いつもイライラさせられる人」
「いつも頭悪いなと感じさせる人」
「いつも暗い気分にさせられる人」
「いつもついていけないと感じさせる人」
「いつも助けたい気持ちにさせられる人」
・・・

ポイントは、いつもという部分。
「ああ、イライラと言えばあの人だ!」
「暗い気分になるのは、決まってあの人と会ったとき…」
特定の顔が浮かんだのではないでしょうか?

この「~な気分にさせられる」のは、まさしく自分のこころの癖です。
いわば自動的な反応。
その自動的な反応を起こす出来事として、特定の相手がいるのです。

例えば、イライラさせられる人。
イライラさせられる人というのは、その人の声や行動、反応と接すると必ずイライラするようになっているということです。
つまり、あなたのこころはそうプログラムされているといってよい。
あなたのこころの癖だとも言えます。

ですから、その人のある行動(ひどい場合は存在自体)を、見ると、聞くと、感じると、自動的にイライラの反応が起こるのです。
実際、今その人のことを思い浮かべただけで、イライラの感情が上がってきますよね?

これは、こころの癖ですから、意志の力ではどうにもなりません。
必ずイライラするんです。

コントロールできるのは、通常は、そのイライラをどう表現するのかの部分。
「イライラをそのまま相手にぶつける」のか、「イライラを必死に隠して苦虫を噛み潰したようにいる」のか、それとも、「イライラを感じないようにして能面のようにいる」のか…。

イライラの感情通りに行動すれば、相手との関係が悪くなる。
イライラの感情を隠せば、自分の気持ちと行動に不一致が起きる。
どちらにしても苦しいわけです。


そこで、2月のBeing会のテーマを、「対人関係と私のこころ」とします。
対人関係で起こるこころの動きについて学んでみましょう。

この世には多くの人がいます。
実に多種多様な人の集まりです。
ですが不思議なことに、対人関係というのは、4つのポジションと2種類の関係(4×2システム)に集約されます。

今回は、この4×2システムの紹介を通して、対人関係における自動的なこころの動きを探ります。
これはおススメです。
ポジションが4つしかありませんから、自分がどのポジションにいるかがすぐにわかります。
そして、関係性は2種類しかありませんから相手のポジションもわかる。
すると、歩み寄る方向性がわかる。

この歩み寄る方向性がわかるというのがポイント。
なぜなら、人は歩み寄るとき、損した気がするからです。
「なんで自分ばっかり我慢しなければならないのか」と。

さらにせっかくこちらが歩み寄っても、相手が歩み寄ってくれないのではという不安も立つ。
もしもそうなったら、歩み寄るという行動で損した上に、自尊心までずたずたになります。
歩み寄ったのに、歩み寄ってもらえない自分として。
だから、自分から歩み寄ることに躊躇するんです。

ところが、歩み寄る方向性がわかれば話は違います。
その方向に歩み寄れば、確実に自分が楽になります。
なぜなら、その方向に歩み寄るという行為そのものが、自分の中にある制限された思考を取り払うことになるからです。
つまり、自分の中にあったこころの癖を手放すことにつながるんです

その上、相手が変わります。
あなたがその方向に歩み寄ると、相手もまたその方向に歩み寄ってきます。
相手が、本当にあなたとの関係性を大切に思っていればという条件が付きますが。

言い換えると、相手があなたと本気で関係を築こうとしているのかがわかるとも言えます。
そういう人と、今後も本気で関係を続けて行こうとするのか。
それとも、ほどほどのお付き合いとするのか。
あるいは、関係を断つのか。
そのあたりを自由に選んでいけるようになるとも言えるでしょう。


自分のこころの動きを丹念に見ていくのはこれまでのBeing会と同じです。
そこに、相手というものが入る。
相手という存在を通して、自分のこころがどう動いているのか教えてもらうわけです。
対人関係における自分のこころの癖を探るといってもよいかもしれません。


悩みのない人はいないと言われます。
そして、ほとんどの場合、どんな悩みでも、最終的には人間関係に行きつくとも。

2月のBeing会「対人関係と私のこころ」
譲ったり、ごまかしたり、自分の思いを犠牲にするのではない、そんな対人関係を築きたい方に。
ご都合が合いましたら是非。

終了しました