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ー こころの相談室 ー カウンセリングMaNa
〒041-0844 北海道函館市川原町1-8
今月もこころ塾初級コースの修了式がありました。
これまで、こころ塾でのワークや瞑想を通して、知らなかった自分に気づいていきました。
時には、あまり気づきたくなたかった自分やこころとの出会い。
自分のこころと向き合うというのは、時に困難を伴うものです。
そんなとき助けになるのは、教える立場の私たちよりも、共に学んでいる仲間なのかもしれません。
「あの人もあんな大きな辛さを抱えているんだ」
「自分だけが苦しいんじゃない」
「あの人もがんばっているんだ。私もがんばろう」
実際、仲間の存在が励みになるというのは、よく耳にします。
今回の修了式は、交通事情や体調不良で急遽参加できない方がいて、いつもの期の半分程の人数で行いました。
ちょぴり寂しい修了式でしたが、その分参加者の思いをゆっくり聞くことができました。
こころ塾に期待していたことや学んだ成果。
そして、期待していたのに得られなかった残念な思いなど。
「一緒に修了したかったですね」
不意に男性修了生が言いました。
来ていない他の修了生たちを思い浮かべてしみじみと。
その言葉からは、共に自分のこころと向き合う困難を乗り越えた仲間。
その仲間と一緒に修了できない残念さが伝わってきました。
そして、その残念さの裏にある敬意。
何より、それぞれ困難を乗り越えてきたんだという仲間意識。
参加できなかった修了生のうちの一人は、男性修了生の娘さんほどの年齢なのですが。
それでも、年齢や性別といったの違いよりも、仲間なんだという意識。
同志という言葉がぴったりくるかもしれません。
その同志がいない。
2018年。
北海道に大きな困難が訪れました。
地震、そしてブラックアウト。
函館でも、長時間にわたり電気が停まりました。
それまで当たり前に存在していたものが、突如なくなりました。
そして、人はなくなってみて、初めてありがたみに気づきます。
スイッチを押せば明かりが点く。
これまで当たり前にあったものがなくなってみて初めて、その当たり前ががどんなに幸せなことであったのか気づくんです。
電気だけではありません。
例えば健康。
今こうして見えている幸せにはなかなか気づけないものです。
訓練を積んだ宇宙飛行士ですらそうです。
不測の事態に陥り、死を覚悟した宇宙飛行士が思うこと。
それは、もう一度この足で地面の上を歩きたいということ。
死を前に、今まで味わったことのない幸せを求めるのではなく、今まで普通にあった幸せを求めるのだそうです。
私たちは、幸福が未来にだけあると考えます。
これは私たちが最もよく陥りがちな、間違った考えの一つなのです。
私たちは時々、次のようにも考えます。
「こんなはずはない! わたしを幸福にしてくれるものは、まだ不十分だ。
私が幸福になるためには、もっと多くのものが必要だ」と。
それで私たちは、未来のために現在を犠牲にしようとします。
しかし、私たちが現在に完全に存在し、それに没頭するならば、
幸福に存在するために十分過ぎるものを
もっていることが分かります。
静かに座り、あなたが今、この瞬間にもっている
あらゆる幸福の条件を書き出してごらんなさい。
あとは、あなたが驚くことだけが残っているのです。
あなたが現在もっている幸福の条件は、
五枚書いても足りず、六枚にも及ぶからです。
ティク・ナット・ハン
「一緒に修了したかったですね」
そうつぶやいた男性修了生。
次の瞬間、隣にいる共に修了する女性に一言。
「一緒に学んでくれてありがとう」
そして、小さくお辞儀をしました。
「今、ここ」にあるとはどういうことか、その男性が教えてくれている。
こころ塾を続けてきてよかったなと思う瞬間です。
「今、ここ」にあるということ
そして、それが通じ合う仲間
これがこころ塾です。
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