こころ塾だより
マインドフルネスという終活

丹下坂心理カウンセラー
高島心理カウンセラー

終活というものがブームになって久しいです。
受講生からも、もう終活を考えていますなんて言う話題も聞かれました。

さて、その終活。
思い出の品、お金、葬儀の仕方、お墓、そして自分の肉体。本来的な意義はともかく、現実には、亡くなったあと、その世界には持って行けない事柄の整理を生前にしておくことになっているように感じられます。
つまり、遺品や遺産としてこの世に残るものの整理です。

では、この世に残らないものはどうなるのでしょう。
もっというと、そもそもこの世に残らないものとは何なのでしょう。

実際に私は死んだことがないので確かめようがないですが、
肉体、そして個人が所有していた品は残るが、心は残らない。
古代より世界各地、多くの人にこのように考えられてきたようです。
亡くなるときに心の内にあったものを持ってあの世に行くと。
キリスト教の神の審判や、仏教の輪廻思想、業といったものにも伺えるように思います。

このように考えると、終活で本当に大切なのは遺品や遺産、死後の肉体ではなく、この世に残らないもの、つまり心の内の整理の方ではないでしょうか。
そして、人間いつ死ぬかわからないわけですから、結局のところ、日々のまさに「今」この瞬間の心のあり様を整えていくことが、結果的に死に備えるということになるように思います。

では、今、心の内にあるものとは?

「あの人が!!」
「あのことが!!」

憎しみ
敵意
怖れ
不安
後悔
罪悪感
赦せない思い。
もしかしたら、そんなネガティブな感情を持って死後の世界に行くことになりはしませんか?

マインドフルネスは、自分の抱えている痛みに一つひとつ気づき、受け入れ、そして手放していきます。
自分の心、とりわけネガティブな感情に向き合い、執着が手放されていくのを実感していきます。
そうした生き方こそ、本当の終活になるのではないでしょうか。
言うなれば、マインドフルネスという終活。
 

つい最近、私の身近な人が亡くなりました。
その彼女が持って行ったのは楽しい思い出と心からの安心。
非常に晴れやかな表情で旅立っていきました。
あんなに安堵感に包まれた表情を今まさに旅立とうとする人間がするものなのかと、ただただ驚きました。
怒りや怖れはこれっぽっちもありませんでした。
そんな彼女が私のマインドフルネスの先生です。

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