こころ塾だより

瞑想とは雑念に気づくこと

丹下坂心理カウンセラー
高島心理カウンセラー

「呼吸から意識が離れてはいけない!」
瞑想に取り組み始めた方からよく聞く声です。
そして、本当にそうなのでしょうか?
呼吸から意識が離れてはいけないのでしょうか?

瞑想を始めると様々なイメージや考えがわいてくることに気づきます。
今回の初級コースの受講生から聞かれたのは、
聞こえてくる小さな音が気になったり
もやもやした気分になったり
ある人の顔が突然思い浮かんだり
「なんで瞑想してるんだろう?」
「瞑想するとどんないいことがあるんだろう?」なんて言葉がわいたり・・・
そうやって雑念がわいてしまうので、呼吸に意識を向けるように心がけていると。

実は、呼吸に意識を向けることで雑念がわかなくなるのではありません。
むしろ、呼吸に意識を向けることで、雑念に「気づける」ようになるのです。

「呼吸から意識が離れてはいけない!」というのは、いわば雑念です。
雑念で雑念が止まるでしょうか?
そして、そもそも雑念とは止めなければならないものなのでしょうか?

雑念と戦ってはいけません。
雑念は暴れ馬や猿に例えられるように、制御できるものではありません。
制御できないものを制御しようというのは、瞑想ではなりません。
それでは、苦行になっていまいます。

瞑想とは心と体を一致させることです。
そして、雑念という制御できないものに気づくことです。

今後の初級コースでは、雑念とは結局何なのか?
一体どういうはたらきをしているのかを学んでいきます。
心の仕組み、そして自分とは何なのかが明らかになっていきます。

そのためにも、雑念を止めようと戦わないでください。
そして雑念がわくたびに、「雑念に気づけた」と思ってください。
呼吸は気づきのためのガイドでもあるのです。

瞑想をして、雑念に気づいていきましょう。
何事かに振り回されている自分に気づくために。
そして、そこから解放されるために。