こころ塾だより

過去の自分との対話

丹下坂心理カウンセラー
高島心理カウンセラー

先月から始まった『こころ塾Being会』。
テーマは塾生が決めます。
扱う範囲は、「こころ」に関することなら何でも。

先月、そして今月のテーマは「不快との付き合い方」

先月は、不快と自動的に捉える自分の心の癖との向き合い方を学びました。
そして、今回は、丹下坂先生が開発したイメージワークを。

丹下坂先生の開発したイメージワークは、過去に体験した嫌な出来事や苦手な人との関係を十分に実体験(アソシエイト)するところから始まります。
そして今度はその様子を映画館のスクリーンに静止画として描くことで、一気に分離(ディソシエイト)する。
そのディソシエイトした過去の自分と対話していく。

過去の自分との対話といっても、説得したり一定の方向に誘導するタイプのものではありません。
とにかく共感していく。
イメージワークを通して辛い体験に圧倒されている過去の自分と視覚的に出会い、そんな自分に寄り添っていくタイプのもの。

​丹下坂先生が実際のカウンセリングでも持ちている手法だけに、実に強力なイメージワークです。
塾生同士のたった1回のワークで早速悩みが解消し、心が軽くなっている塾生もいました。
私自身も体験してみましたが、過去の自分とスクリーン上で出会うことで一気に出来事の捉えが変わっていくのを感じました。
また、具体的な対話は一切しないのに、対話の最後には行動レベルで非常に具体的な考えが出るのも印象的。

例えば、朝から一方的に話しかけてくる隣の同僚にうんざりしていた事例。
共感的に過去の自分と対話していくことで、

・相手はわからないことがあって困っている
・相手は自分を困らせようとしているわけではない
・手が空くまで待ってもらっても相手は不快にならない

こんなことに気づいていく。
だから自然と、「こちらの手が空くまで待って欲しいと相手に伝えればよい」といった具体的な行動レベルでの解決方法が出てくるようです。

そして、ここからがポイント。
大きな悩みを解決していくことももちろん大切ですが、それと同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に小さな些細な悩みと一つ一つ丁寧に向き合っていくことが大切なんです。

私自身の実体験としても、ここは強調しすぎるということはないように思います。
他者援助のスキルを徹底的に自分自身に使う。
こころ塾Being会でイメージワークを扱った理由もここにあります。

自分が自分のカウンセラーであれば、どれほど心が安定することでしょう。
ですから、自分自身に使えるワークとするよう、次回もしっかりトレーニングしていきます。
ある意味、
こころ塾Being会は、自分のための「自分というカウンセラー養成講座」と言えるのかもしれません。