第2回実践心理学研修会

「怒りの取り扱いマニュアル」札幌開催を終えて

高島 昌彦

2018/12/11

「今までいろいろな講座を受けましたが、こんなにすごいの初めてです!」
「今までで最高のワークショップでした!」
「今までこんなに充実した時間を過ごしたことはありません!!」

たくさんの参加者の方から、同じような声を聞きました。
本当にそうなんだと思います。
私自身、味わったことのない時間でしたから。

思考が止まります。
みんなとのワーク、ディスカッション…
あれれ、何をしているんだっけ?
思考が止まるんです。

どうして?
今振り返ってみるとよくわかります。

トランスに入りっぱなしだったんです。
2日間、ずっとあの空間で。
全ての参加者が。

そして、丁寧に丁寧に自分の心と向き合い続けました。
そこには、今まで気づいていなかった自分がたくさんいました。
今まで気づいていなかったはずなのに、そのどれもがなんとも懐かしい感覚。

一方で、以前から気づいていて、そして認めたくない自分もいます。
弱い自分、ダメな自分、いけない自分…
そういった、認めたくない自分とも向き合っていきました。
ゆるしの技法を用いて。

(認めたくない)昔の自分をカワイイ奴めと気づけた
ポカンと空いていた穴が埋まったような感覚になった
それは、不快では全くなくて、ただ本当にカワイイ
愛おしいものでした
         函館市 石井 美穂 様


「怒りって、いい奴なんです」
そう言って、原田先生がイスを用いて、怒りが起きているときの心の状況を教えてくれました。
講座の1日目です。

講座が終わった今、実感しているところです。
怒りというパートのおかげで、自分の大切にしていることに気づける。

相手をゆるせない思い、自分をゆるせない思い
未練、執着…
それらを手放すトレーニングをしました。
そして、それは心の安定を生むものでした。

『怒りの取り扱いマニュアル』
 ~ 期待の手放し方とゆるしの技法 ~

ものすごい講座でした。

 

そして、やっとわかった気がします。
原田先生の凄さの理由を。

説明がわかりやすい
理論的
優しくて温かい

接する多くの人が原田先生に抱く感想だと思います。
でも、それは表面に過ぎないのかもしれません。

その奥に、何百、何千という原田先生と関わってきた人がいます。
何百、何千という人々の数えきれないほどの思いや気持ち、感情。
つまり、原田先生は数限りないパートを知っているんです。

なぜなら、原田先生はモデリングの達人だから。

どんな気持ちや感情が出て来ても、原田先生が驚きもせず、受け容れ、
そしてわかりやすく説明してくれるのは、そんな理由があるからです。
だからみんな、安心して自分の心と向き合える。


第2回実践心理学研修会には、北海道の各地から12名の方が参加くださいました。
心理学やコミュニケーションの学びを海外にまで求めている方から、生まれて初めて講座に参加する方まで。
その参加者全てにご満足いただけたのは、安心・安全に自分の心と向き合える時間だったからでしょう。

研修会が終わって強く感じているのは、もったいないということ。
この12名しか体験できなかったのは、あまりにもったいない。
なぜなら、すべての人が感情を持ち、
そして、ほとんどすべての人が、その感情に振り回され、悩み、苦しんでいるのだから。

日本の文化では特に、感情をストレートに表現することは嫌われますから、感情を抑圧しがちです。
なるべく怒りの表現をコントロールしたい。
可能ならば、一切怒りを見せたくない。

なのに、怒ってしまう自分。
なのに、怒りをぶつけてくるあの人。

こうして、怒りがさらにやっかいなものとなっていくのでしょう。
怒りをコントロールできない、自分や相手という存在、そしてその関係性にまで発展して。

本当は、怒りは「いい奴」なのに。

もっと多くの人に届けたい。
いや、届けねば。
強くそう感じる体験でした。


執筆者:カウンセリングMaNa 高島 昌彦