第2回実践心理学研修会

本当のあなたを知っていますか?

高島心理カウンセラー

2019/6/11

前回に引き続き、なぜ講座「怒りの取り扱いマニュアル」をお勧めするのかをお伝えします。

私たちは多くの場合、怒りを自制しようとしています。
そうしないと、「あいつは感情的な奴だ」と烙印を押されてしまったり、場合によっては修復不可能な事態になってしまうから。
それほど怒りの取り扱いは厄介です。

ですから、怒りの感情がわいた後で、怒りが他者に伝わらないようにする。
カチンと来たけど、周囲には伝わらないように、何事もなかったフリを装う。
それに失敗すると、「ああ、怒ってしまった」となる。

つまり、怒りの感情が出た後で、その怒りを行動面でコントロールしようとするのです。

例えば、上司が「報告書はいらない」と言っていたのに、後になって、その上司から「どうして報告書を作ってないんだ?」と言われた場面(出来事)。

すると、「理不尽に叱責された」となり(受け取り方)、

怒りの感情が自動的にわきます(反応)。

その怒りの感情を、何とか意志の力で抑え込もうとする(行動)。

「以前はいらないとおっしゃいましたが…」と冷静に言い返したり、
「わかりました。早速作ります」と何事もなかったかのように装ったり、
「すみませんでした」と不本意ながら謝ったり…。

怒りの感情がわいた後に、それをどう処理するか。
つまり、Doingレベルで対応しているのです。

そして、Doingレベルの対応が及ばないとき、
「前にいらないって言ったじゃないですか!!」と感情的に言い返す。
こうなったときに初めて、「怒った」と自覚する。
多くの場合は、怒りの感情に振り回された後に、ある程度落ち着いてから自覚します(怒りの渦中にいる人は、たいてい自分は怒っていないと言いますよね?)。
そして、「また怒ってしまった。自分はダメだな」と落ち込んだり。

実際には、Doingレベルで怒りを表出するかしないか(本人は抑え込んでいるつもりでも、周囲には怒りが伝わっているケースは大いにあります。声が大きくなってるとか、紅潮しているとか…)にかかわらず、出来事を受け取った段階で、自動的に怒りの感情は起きているのです。
ここは大切なポイントです。
自覚しようがしまいが、怒りは自動的に起きている。
 

その自動的に起こる怒りの取り扱い。
怒りに振り回されるのは、自分も周囲も傷つけることになりますから望ましいことではないでしょう。
一方で、怒ってないふりを装う(Doingレベルの対応)のも問題です。

感情は蓄積します。
こころだけではなく、身体的にも怒りのエネルギーは残ります。
Doingレベルの対応が上手く行けば行くほど、怒りの感情は心身に蓄積されていくわけです。
文字通り、心身の健康によくない。

怒りをうまく抑え込んでいるがゆえの苦しさというのは、コミュニケーションに真摯に向き合っている方、周囲を大切にされている方、自律的な生き方を心掛けている方には馴染みのあるものではないでしょうか。
まじめに取り組めば取り組むほど、それは苦しい生き方でもあります。
自分の本当の思いにふたをするんですから。

原田先生の講座、「怒りの取り扱いマニュアル」はDoingレベルの取り扱いではありません。
Beingレベルの取り扱いです。

「理不尽な叱責だ。報告書は、自分がいらないって言ったんじゃないか」と受け取るには理由があるんです。
その理由に丁寧に向き合っていく。
そうすると相手に怒りをぶつける正体が見えてきます。
そこには、自分の本当の思いが。
様々な期待があることに気づけます。
そのそれぞれの期待に向き合うことで、自然に怒りが癒されていく。
そのための技法を学ぶのが講座の趣旨です。

自然にというのがポイントでしょう。
操作するのではない。
自分の本当の思いに気づくことで、自然に怒りが解消されていく。
だから、Beingレベルの取り扱いなんです。
そこまで学ぶからこそ、「相手」そして「自分」へのゆるしや、「未練」や「執着」を手放すといった2日目の内容に踏み込めるんです。


怒りの感情にふたをする(Doingレベルの対応)のは、ある意味たやすいです。
たやすい対応法で、そして苦しい生き方。
それに対して、Beingレベルの取り扱いは無理がない。
何よりエネルギーが相手にではなく自分に向かっています。
そのエネルギーを本来自分がしたいことに注げるなら、それは自分らしい生き方と呼べるのではないでしょうか。

だから、この生き方を望む人がいるなら、一人でも多くの方に知ってもらいたい。
これが、「怒りの取り扱いマニュアル」東京開催を決めた理由です。

自分のこころにふたをする生き方もできます。
そして、自分のこころを、本当の自分を知る生き方もできます。
あなたはどちらを選びますか。
自動的に怒りが起きるたびに、どちらの生き方で対処していきますか?

お席の方は、まだ若干の余裕があります。
迷っていらっしゃるのであれば、ぜひ一緒に学んでみましょう。
あれほど厄介だった怒りが、「いい奴」になります。
本当の自分を知れますよ。

定員になり次第、締め切ります。
響くものがあれば、ぜひご検討ください。

講座の特性上、定員になり次第締め切ります。
どうぞご了承ください。