4・5月Being会のご案内

ストレスの丁寧な扱い方

~ストレス対策の理論と心理ワーク~

高島 昌彦
丹下坂 愛実


2022/2/27

 

なぜシマウマは胃潰瘍にならないのでしょうか?


考えたこともありませんよね。
ですから、ちょっと想像してみましょう。


シマウマだってストレスにさらされて生活しているのです。

茂みの向こうにライオンがいるかもしれない。
カサカサっと葉が触れ合う音がしたら、そこにヒョウが潜んでいるかもしれない。
自分の目の前で、仲間が命を落とすこともあるでしょう。

なんだか、私たち人間以上に過酷な環境で暮らしていますね。


でも、シマウマは胃潰瘍になりません。
ストレスから不眠症になったり、胃に穴が開いたシマウマというのも聞きませんね。
PTSDになるのも人間だけです。
 


いったい私たち人間に何が起きているのでしょうか?
そして、どのようにすればストレスから身を守れるのでしょうか?

パーソナルストレスタイプ


世の中の変化に対応するのが得意な人もいれば、苦手な人もいます。
逆境で輝く人もいれば、落ち着いた環境でこそ能力を発揮する人もいます。

なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?

その理由の一つは、ストレスタイプの違いです。
 

ストレスタイプの違いについては、あなたも日常的に感じていることでしょう。

職場や家庭、社会情勢…
同じ環境に身を置いていながら、あっけらかんとしている人もいれば、キリキリしている人もいます。


ストレスへの対処は、まずは自身のストレスタイプを知ることです。
そうすることで、実現可能な対処法もみえてくるでしょう。

ストレスタイプには、次の3つがあります。
 

3つのパーソナルストレスタイプ
 
ストレスタイプ ストレスを感じる場面・状況
順応タイプ

環境の変化、余裕のなさ、計画と異なる状況、個性を求められる場面

挑戦タイプ

ルールや計画に束縛された状況、個性を抑えられる場面

回避タイプ ほとんどあらゆる場面でストレスを受ける


自分のストレスタイプを知るのが、ストレス対処の第一歩。

ところが、残念ながら、なかなか自分のことは自分ではわからないものです。
 

そこで、今回のBeing会では、簡単な心理ワークを通して、ご自身の理解を深めていきます。
簡単でありながら、客観的な視点も得ることができます。

他者のストレスタイプも見極めやすくなりますので、他者との関係性を調える材料にも使えるでしょう。
 

行き詰まりの発生率


パーソナルストレスタイプという一人ひとりの違いの他に、同じ個人内でも違いがあります。
どういうことかというと、

「以前はもっと心が動じなかった」
「最近、すぐに行き詰まりを感じるようになった」
「以前に比べ、問題が起きなくなってきた」


このように、一人の人間の中でも、力強く生きられるときもあれば、どうにも前向きになれず、力を発揮できない期間もあります。
あなたも思い当たるところではないでしょうか。

これには、

  • ストレス
  • 身体要因
  • パーソナリティ
  • つながり
  • 対処スキル(思考・感情・行動)
  • 自己尊重


この6点が複合的に関わり合い、数式をなしています。
 


今回のBeing会では、この「行き詰まりの発生率の数式」を知識として理解します。
そうすることで、ストレス以前にどの要素を改善していくのが効果的なのか、一人ひとりに気づきがもたらされるでしょう。

原因となっている要素を知ることで、いつでも対処の方向性がわかるようになります(ちなみに、数式といっても小学生レベルの内容ですからご安心ください)。
 

生きている以上、厄介な問題が発生することは避けられません。
ですが、その発生確率は相当程度に小さくすることができるのです。
 

ストレスとは?


もともとは物理学の用語で、「物体に力が加えられて歪みが生まれたときの、その物体内における力の分布」を意味していました。

それが転じて、生物学・心理学の分野で、

「心にかかった負荷や歪み」
「ダメージを及ぼす環境要因」

を指す用語として使われるようになりました。
 

用語としてのストレス


現在の『ストレス』についての概念は、ハンス・セリエ(Hans Selye)という生物学者の影響が大きいところです。

セリエによると、ストレスは「身体にかけられた要求に対する身体の非特異的反応(the non-specific response of the body to any demand placed upon it)」と定義されます。
つまり、体の外からの影響に対して起こる身体反応の全て、ということです。
言い換えると、環境の変化に対する対応です。

ただし、セリエの定義だとホメオスタシスとほぼ同義になってしまいます。
そのため、近年では、「通常の対応力で対処可能な範囲を超えた外的影響」への対応として、限定的に扱う見方もあります。
 


専門的な表現だとわかりにくくなってしまいますね。
いずれにしても、端的にポイントをまとめると、ストレスというのは、

① 外からの影響に対して
② 身体の中で起こる反応

この2点で成り立っているということです。
 

ストレッサーとストレス反応


ストレスを「②身体の中で起こる反応」として強調するため、セリエは
「①外からの影響」のほうを、「ストレスを引き起こす外的要因」として区別しました。
この「ストレスを引き起こす外的要因」のことを『ストレッサー』と呼びます。

そして、ストレッサーに対して②身体の中で起こる反応のことを『ストレス反応』と呼びます。


日常では、
① ストレッサー
② ストレス反応

この二つを明確に区別せず、広い意味で「ストレス」と用いていることと思います。
 

今回は、「ストレスの丁寧な扱い方」ですから、ストレッサーとストレス反応について、丁寧に区別する方法をお伝えします。
 

特にストレス反応の由来については、ほとんどの人が存在すら認識していません。

  • なんとなくイライラする
  • 何だか疲れやすい
  • なぜか身の回りで厄介なことが続く


このようなときに、わかりやすい”原因”のような他人がいると、
「この人のせいだ。この人との関わりがストレスになっている!」
と解釈しがちです。


ただ、それがすべてではありません。
その先の世界があります。
それは、ストレス反応の由来です。
 


詳しくはBeing会で扱いますが、ストレス反応の由来を項目だけあげると、

  1. 個人的に生み出すもの(心の癖、動物として避けられない反応)
  2. 他者から受けるもの(同調によって勝手に起こる反応)
  3. 集合無意識の表れ(なんとなく気分や考えが変動する感じ、世の中の流れの影響)

というものです。

このようなストレス要因についての理解を深め、ストレスの表れ方を自覚する。
そうすることで、自分が体験するストレスの量はずいぶんと軽減できます。

また、ストレスを減らして楽になった状態の方が、具体的に厄介な事柄についての対応もスムーズになるでしょう。
前述の、行き詰まりの発生率が低下するわけです。
 

ストレス対処の実践トレーニング


ともかくストレスを減らす。
必要以上に自分が苦しまない。

このための知的な理解を深める学習と、具体的な対応策をしての手法の実践トレーニングを行います。
具体的には、

  • 行き詰まりの発生式と発生率の下げ方
  • 意識の機能とストレス反応
  • 個人的ストレスと集合的ストレスの気づき方
  • 余分なストレスを受けないための考え方
  • ストレスの種類に応じた解消の仕方
  • どうにもできないストレスへの対処の仕方


このあたりのことを、

  • ディスカッション
  • 認知的トレーニング
  • イメージワーク
  • 催眠的アプローチ

などを組み合わせて扱っていきます。
 


一部は、コロナで実施できなかった昨年の合宿の内容を含みます。

心理カウンセラーとして、長年にわたり人の苦しみと向き合ってきた。
そんな私たちだからこそ、ご紹介できる内容だと自負しています。
 

ご自身に合った方法を持ち帰っていただいて、日常を楽に生きていく力としていただけたらと願っています。

もちろん、ここでの時間そのものが、ストレスを軽減するものとなれば何よりです。


今回は、内容的にある程度のボリュームとなるため、4~5月と2か月続きの講座とします。

4・5月Being会概要

【日程】

①2022年 4月12日(火) 19:30~21:30
②2022年 4月26日(火) 19:30~21:30
③2022年 5月10日(火)
 19:30~21:30
④2022年 5月24日(火) 19:30~21:30


【会場】

函館市亀田交流プラザ
(函館市美原1丁目26-12)


【参加費】
20,000円(全4回)
 ※1ヶ月だけご参加の方は、10,000円


【申込締切】
3月22日(火)

 

  1. ストレスに圧倒されて、本来の自分の実力が発揮できない。
  2. 実力が出せないから、問題を解決できない。
  3. 問題が解決できないから、自分を尊重できない。
  4. 自分を尊重できないから、ストレスがたまる。


過去の私自身に起きていた悪循環です。
同時に、程度はあるとはいえ、多くの人に起こっているようにお見受けしています。

そして、この流れは、残念ながら高まっていくでしょう。
世の中の流れが、その方向に決定的に進んでいますから。
 

世の中の流れは個人ではどうすることもできません。
だからこそ、自分のストレスを自分事として、いかに適切に対処するかが問われることでしょう。

それは、「ストレスがあるから成長できる」といった気楽なリフレーミングではありません。
もっと具体的な対応です。
 

ストレスへ適切に対処して、本来の力を発揮しましょう。

お越しをお待ちしております。
 

締め切りました