9月Being会のご案内

心の状態を思い通りにする心理ワーク

自分の心なのにコントロールできない


2022/7/28


プレゼン、スピーチなど、人前で話す場面。
あなたはどんな心の状態になりますか?

「リラックスしなきゃ!」
そう思えば思うほど、緊張してしまうのではないでしょうか?

このように、自分の心なのに、自分の思う通りにならない。
そう感じることってありますよね。

ほかにも、

  • 前向きになろうと思っても、どうしてもネガティブになってしまう
  • 苦手な上司の前だと委縮してしまって本来の力が発揮できない
  • ダイエットしたいのに食べてしまう
  • 子どもに優しくしたいのに、つい怒ってしまう
  • 決断しようと思っても、勇気が出ない

などなど。

自分の心を自分の思う通りにコントロールできない。
このような体験を日常的になさっていることでしょう。

そこで、自分の心の状態を自分の望ましい方に一瞬で変える心理ワークについてご案内します。

執筆者:高島 昌彦
カウンセリングMaNa 心理カウンセラー

航空自衛隊等の心理カウンセラーとして活躍する心の専門家。その卓越した技術と知識をもとに、心理学やコミュニケーションの講座も展開。

意志の力は当てにならない


こんな言葉があります。

三日坊主

あきっぽくて何をしても長続きしないこと。また、そのような人のことをあざけっていうことば。修行に耐えられず、三日で還俗(一度、出家した者が、再び俗人に戻ること)をしてしまう僧侶の意から。
出典:学研 四字熟語辞典

皆さん、ご存知の四字熟語かと思います。
そして、言葉を知っているだけではありませんね?

「ああ、あれが続かなかったな…」
きっと、誰もが耳の痛い思いがするのではないでしょうか。

やろうと決意したのに続かなかった経験など、誰もがたくさん持っているものです。
それぐらい、意志の力というのは当てにならないのです。
 


とはいえ、
「そんなことはない! 心を強く持てば、意志も強くなる」
そうお思いの方もいるでしょう。
また、そう思いたい方もいることでしょう。

本当に、そんなに意志の力というのは当てになるのでしょうか?
そこで、私とあなたとで実験をしてみましょう。

これから私が、あなたにあるお願いをします。
でも、あなたは意志の力で、そのお願いを拒んでください。

あなたの意志の力で、私の言いなりにならないようにするのです。
よろしいですね?

しっかりと心の準備が出来たら、以下に進んでください。
それでは、始めますよ。
 

シロクマを、思い浮かべないでください。

・・・。

いかがでしたか?

意志の力で、私の言うなりになるのを防ぐことは・・・
出来ませんでしたね。

あなたの心の中に、シロクマのイメージが浮かんできたことでしょう。

このように、意志の力は、どんなに気持ちを固めても、思っているほど当てにはならないのです。

 

ちなみに、上の「シロクマを思い浮かべないでください」というのは、カリギュラ効果という心理現象を利用したものです。

ですので、シロクマが思い浮かんだからといって、心が弱いとか意志が弱いということではありません。
むしろ、シロクマが思い浮かぶことが自然なことなのです。

あなたの心の名誉のために、蛇足ながら申し添えておきますね。

カリギュラ効果

禁止されるほどやってみたくなる現象。ローマ皇帝カリグラをモデルにした映画「カリギュラ」が語源。過激な内容のため、一部地域で上映禁止になったことで、かえって市民が作品への興味をかき立てられ、大ヒットとなったことに由来する。
具体例としては、映画やドラマの宣伝における「心臓の弱い人は観ないでください」。
また、鶴の恩返しの「覗かないでください」やパンドラの箱の「開けてはいけない」など。

イメージの持つ力


ここで、イメージの持つ力を体感してみましょう。

あなたと並ぶように、あなたのすぐ隣に、イスを置きます。
イスの位置は、左右どちらでも構いませんが、あなたにぴったりとくっつく近さに置いてくださいね。
今、電車に乗っているなどの理由でイスを置けない方は、すぐ隣にイスがあると想像するのでもよいです。

 

準備ができましたか?
それでは、イメージの持つ力を2つ体感していきますよ。
 

まず、1つ目。
その椅子に、あなたの大嫌いな人を座らせてみてください。

そして、その人の表情や振る舞いを見てください。
その人は、どんな声ですか?
その人の、気配や伝わってくる空気感を感じます。
 

十分にイメージできたら、あなたの心の状態(ステート)を確認してみましょう。

ステート=心の状態

今、どんな気分ですか?
身体の感覚は?

そして、このステートのあなたは、どんな考えが浮かぶあなたでしょうか?
エネルギーは?
モチベーションは?
どんな行動を起こすあなた、もしくは、起こさないあなたになっていますか?


続いて、2つ目です。
先ほどのイスに、今度は、あなたの大好きな人を座らせてください。
そして、その人の見た目、声の感じ、伝わってくるフィーリングを感じます。

十分にイメージできたら、今のステートをチェックしてみましょう。

感情は?
思考は?
行動は?

先ほどのステートとは、まったく違うステートになっていることを実感できたことでしょう。

イメージは意志より強い


さて、嫌いな人、好きな人。
思い浮かべるものを変えるだけで、ステートに変化が起きることを体感いただけましたね。
イメージの力を、十分に感じられたことと思います。

それでは、普段あなたはどのようなことを思っているでしょうか?

 

  • あの人に会うのは、嫌だなぁ…
  • 上司にまた怒られたらどうしよう…
  • どうせ私がやってもうまくいかないだろうなぁ…
  • 若い頃はよかった…
  • 部下が思い通りに動いてくれない!
  • 夫が余計なことばかりする!
  • 子どもが言うことを聞かない!


冒頭のように、シロクマを思い浮かべるのならよいのです。
ですが実際には、日常の出来事に追われ、振り回され、気がつくと意志の力とは違った方向に思いがわいてしまうのではないでしょうか。

そして、上の例のような思いでいたら、あなたのステートはどうなっているでしょうか?

エネルギッシュなものにも、ポジティブなものにもなっていませんよね。
もちろん、よい感情でいられるはずはありません。

感情を一瞬で変えるメソッド


それでは、望ましいステート(心の状態)を得るには、どうしたらよいのでしょうか?

「後ろ向きになることは考えないぞ!」
このように、意志の力で自分の心を操作しようと思っても、うまくいかないことはもう学んできましたね。

実は、ステートを変えるには、意志ではなく、次の3つのアプローチが必要なのです。

  1. 焦点
  2. 身体
  3. 言葉の使い方

出典:日本実践コミュニケーション心理学協会「ステートワーク」

詳しくは、Being会で扱いますが、ここでは2の”身体”について、ほんの少し紹介しますね。


まず、落ち込んでいる人の姿を想像します。
そして、実際、あなたがその姿になってみてください。

頭は垂れ、身体は前かがみに落ちて、声は小さく、口調も遅いですよね。
エネルギーもわいてこないでしょう。

では、この落ち込んだ心理・感情を変えるにはどうすればよいでしょうか?
 

答えは身体です。
身体の動きを変えてみればよいのです。

落ち込んだ肩を上げて、胸を張ってみてください。
目線も上げてみます。
お腹で息をしてみましょう。
そして、仁王立ちもしてみてください。
たった2分でよいです。


いかがでしょうか?
気持ちが変わったのを感じられましたか。

これは科学的にも解明されていることですが、この動作をするだけで、気分や行動・幸福感に影響与えるテストステロンが増えます。
自信も増してきます。
そして、ストレスホルモンであるコルチゾールが下がることも明らかになっています。

身体の動きを変えるだけで、これだけの変化が起こるのです。


このように、9月Being会では、身体の動きによって、心の状態を変える心理ワークを学びます。
さらに、”焦点”、そして”言葉の使い方”のメソッドも実践的に学んでいきます。

望ましい心の状態を一瞬で作り出す心理ワークをお持ち帰りください。
 

9月Being会概要

【日程】

① 9月13日(火) 19:00~21:00
② 9月27日(火) 19:00~21:00
  ※これまでと時間が変更となります。


【会場】

函館市亀田交流プラザ
(函館市美原1丁目26-12)


【参加費】
10,000円(全2回)


【申込締切】
8月28日(日)


17年うつを患っていた私にとって、社会復帰というものは、それはそれはハードルが高く感じられるものでした。
しかも、選んだ職業が心理カウンセラー、そして講座講師です。

「初対面の人と会う」
「大勢の人の前に立つ」
「お金をいただいておきながら、うまくできなかたらどうしよう…」

こう考えただけで、緊張が走り、ストレスでお腹が痛くなったものです。

そんな時代の私の助けになったのが、9月Being会で扱う『ステート・ワーク』。
自分の心の状態を思い通りにできなければ、乗り越えてはこられなかったでしょう。
もちろん、現在でもお世話になっている心理ワークです。

意志の力では、自分の心すら思う通りにすることはできません。

  • がんばりたいのなら
  • 幸せになりたいのなら
  • 人や世の役に立ちたいのなら

学ぶ価値のある心理ワークかと思います。
興味と関心のある方のご参加をお待ちしております。


執筆者:カウンセリングMaNa 高島 昌彦
 

締め切りました