心身の不調

やさしさの象徴「うつ」

丹下坂心理カウンセラー

2018/1/26

ずっと気分が落ち込んだ状態が続き、何もやる気が起きない。
普段できていたことができない。
仕事はおろか朝起きることも辛くなった。
病院へ行ったところ「うつ病」と診断されました。

こうして、たくさんの方がカウンセリングにやってくる。

「うつ病」と言われた人すべてにかけている言葉がある。
あなたが「やさしい性格」と診断された証拠ですよ。

うつ病、うつ傾向になる人は、物事に一生懸命に取り組む。
とにかく、課せられたことには、課せられた以上のことを完璧にこなそうとする。
それでも、問題が起こるのが世の常である。

決して自分のせいではないはずなのに、その問題を「自分のせい」と捉えてしまうのである。
自分のしたことは自分の責任、他人のしたことも自分の責任。
全てを自分で背負ってしまうのである。

これ以上、「やさしい人」は存在するだろうか?
自分のことのみならず、他人のしたミスまで自分で責任を負うのである。

一方、傲慢な人はどうだろうか。
絶対とまでは言わないが、うつ病にはなりづらいはずだ。
なぜなら、問題が起きた時、自分で責任を取らないからである。
問題を問題と捉えないのだから、うつになりようがない。
不平不満は漏らすだろうが、落ち込むことは少ない。

今目の前に、二つの人生がある。
選ぶことができるとしたら、あなたはどちらを選ぶだろうか?
人にやさしさを与える人生
人に傍若無人に振る舞う人生

もし前者を選ぶのであれば、自分を労わることを学ぶ必要がある。
後者を選ぶのであれば、嫌われる勇気を持つことを学ぶ必要がある。
どちらを選んでも、学びの人生には変わりがない。

私は、もちろん人にやさしさを与える人生を選ぶ。
だが、一国の主のように、欲しいもの全てが手に入る人生も一度味わってみたい、なんていう邪な考えもある。

しかし、人から嫌われたくはない。
だから、人にやさしさを与える人生を選ぶ。
選ぶというよりも、選ばざるをえないのである。

無理をして人にやさしくすることもあるのだから、自分にこう、声をかける。
「自分、がんばってるじゃん!十分がんばってるんだから、少し休んだっていいじゃん!」

自分に甘いのではない。
人にやさしさを与えるように、自分にもやさしさを与えるだけである。
そうすれば、また、人にやさしくできる自分になれるような気がする。

 

執筆者:カウンセリングMaNa 丹下坂 愛実