恋愛における男性心理・女性心理「あなたは○○なのね」編

高島心理カウンセラー

2019/10/22

今年はビートルズの事実上最後のアルバムとなった『アビイ・ロード』が発売されてから50周年だそうです。
ビートルズをよく知らない方でも、4人が横断歩道を渡る『アビイ・ロード』のジャケットを目にしたことはあるのではないでしょうか。
ビートルズ好きな私も大好きなアルバムです。

さて、そのビートルズ。
男性4人組のバンドですが、中心メンバーはというと、ジョン・レノン、そしてポール・マッカートニーの二人と言い切ってよいでしょう。

そのジョンとポールなんですが、いろんな面でずいぶんと違う二人です。
ポールが楽天家だとすると、ジョンは悲観的。
ポールが穏健だとすると、ジョンはシニカル。

例えばある曲で、ポールが「少しずつよくなってきたぞ」と歌う。
すかさずジョンが合いの手を入れます。
「悪くなりようがないんだけどね」と。

音楽性もまた違います。
ポールは、「Yesterday」や「Hey Jude」「Let It Be」などでおわかりの通り、柔らかで美しい曲調が特徴です。
一方のジョンは、「Help」や「Don't Let Me Down」「Come Together」などの強烈なロックンロール。

もちろん、お互い様々な曲を書いていますから、例外はたくさんあります。
それでも、ジョンが内省的で個人的。
一方のポールは明るくポジティブな曲調というのは、多くの方が納得されるのではないでしょうか。

『アビイ・ロード』の制作風景もいろいろと伝わってきていますが、やっぱり二人は違う。
ポールが計画的に進めているのに対して、どうもジョンは行き当たりばったり。

そんな個性の違う二人。
ですが、だからこそよかったんです。ビートルズが。
二人のファンで、ビートルズ時代よりソロの方が好きという人に会ったことがありません。
個性の違う二人が一つであった、それがビートルズの魅力なのでしょう。


ラグビーW杯。
日本はベスト8で南アメリカに敗れました。
テレビで観戦しながら、私は残念に思っていました。
「まだまだビクトリー・ロードが続くところを見たかったなあ」と。

すると、そんな私の横で、妻が涙を流しながらつぶやきます。
「(日本代表)がんばった!! お疲れ様」

夫婦の意見が合わないわけです。
さて、どうしましょう?

もちろんお互い話し合って説得しあうのも一つです。
自分の想いを分かってほしいから。
自分の正しさを認めてほしいから。

妻を何とか説得して、妻にも残念に思ってもらう。
あるいは、残念な思いを捨てて、妻の感動に私も賛同する。
つまり、二人の意見をどちらか一人の意見に絞る方法。
「わたしの意見が違っていました。あなたの考えが正しいです」(同意)。
これだと、どちらか一方は自分の正しさを認めてもらえます(もちろん他方は否定されるわけです)。

そして、別の方法もあります。
相手の意見を相手の想いとしてそのまま認める方法です。
「(相手の意見が正しいかどうかはさておき)あなたは〇〇なのね」(受容)。
自分が相手の意見に同意しているかどうかは関係ありません。

今回のW杯の例でいけば、残念だったなあという自分の想いはそのままに、
「(あなたは)がんばった。お疲れさまと思っているんだね」と応じるということです。
相手の意見を否定せず、かといって自分の意見も否定しません。
ただ、相手が大切にしていることを、こちらも大切にするということです。

実は、受容して問題が生じることってほとんどありません。
W杯、南ア戦敗北。
「まだまだビクトリー・ロードが続くところを見たかった。そして、がんばった!!お疲れ様」
夫婦の想いとして、別に不都合はないわけです。
むしろ一人の想いより深まっているように感じます。

そう、違う二人だからこそ深まるんです。
まずは違いをそのまま受容してみませんか?
それで不都合になることって、ほとんどないですよ。


執筆者:カウンセリングMaNa 高島 昌彦