【高島心理カウンセラーのつぶやき】

臨時休校を過ごす君たちへ

高島心理カウンセラー

2020/2/29
 

今からおよそ2000年前。
古代ローマ時代の風刺詩(日本の川柳のようなもの)に次のようなものがあります。

 もし信頼や、古い誓いに価値があるのなら、ユリウスよ、お前は俺のすべての友だちのうちで最も大切な友だちと言える。もう60歳に近いから、お前が生きられる日はさほど長くないだろう。
 与えられないかもしれないと思うものを先送りし、過去の成果だけを自分のものとするのはよくない。そんなことをすれば苦痛と苦悩の連鎖がお前を待ち受けている。喜びはすべて束の間にすぎず、何も残ることはない。喜びを両の手でつかみとれ。これほどきつく握りしめても、しばしば心からこぼれ落ちてしまうのだから。信じてくれ、賢者は「生きるだろう!」とは言わないものだ。明日を生きるのでは遅すぎる。今日を生きなければならない。

     マルティアリス『エピグラム』


同じ作家のもので、もっと直接的な作品もあります。

人生を愉しむのは明日からにしようだって?
それでは、遅すぎる。
愉しむのは今日からであるべきだ。
いや、より賢明な生き方は、
昨日からすでに人生を愉しんでいる人の生き方ですよ。

     マルティアリス『エピグラム』


新型コロナの影響で、臨時休校になる地域が出てきました。
北海道などすでに始まっている地域もありますね。

「友だちに会えないのはつまらない」
「部活したかったのに…」
「ずっと家の中にいるなんて耐えられない!」
「一人で勉強、大丈夫かなあ…」
「入試や卒業式はどうなるんだろう?」

こんなはずじゃなかったのに、本当だったら…こんな思いや、これから先どうなるかという不安でいっぱいのことと思います。


そして、残念ながら、起こっている出来事を変えることはできません。
どんなに嘆いても、どんなに不安を感じても、目を背けても、新型コロナの流行も臨時休校も、起こっている出来事を、君ひとりの力で変えることはできないんです。


それでは、やっぱりただ耐えるしかないのでしょうか?

いいえ、君ひとりの力で出来ることはあります。


それは、出来事の受け止め方です。
起こっている出来事は変わらなくても、受け止め方を変えることはできるんです。


例えば、臨時休校となれば1日中自宅にいることになります。
1日どころか、数週間続くかもしれませんね。

では、数週間自宅に居続けることで生まれるプラスの価値はないでしょうか?
数週間自宅にいるからこそできること、やれること。
あるいは、臨時休校でなければできないこと。


それは、ずっと読まないでいた本を読むことかもしれません。
あるいは、自分に合った暗記法や勉強法を見つける時間にもできます。

実際、効果的な暗記の仕方というのは、心理学の見地からも十人十色です。
年号でも英単語でも何でもいいです。
すぐに暗記できたものを思い浮かべてください。
そして、それはどのように暗記しましたか。

見て?
聴いて?
書いて?
語呂合わせ?
それとも、何かのイメージ?

聴いて覚えたのなら、それは自分の声で?
それとも、先生や友だちの声?
自分の声だとしたら、それはこころの中の声か、それとも実際に声に出したのか?
実際に声に出したのだとしたら、それは独り言か?
それとも、誰かに説明したのか?

書くと覚えるのだとしても、一度の殴り書きでもよい人、丁寧に書くと覚える人、何度も書くのが向いてる人。
実に様々です。
どこに書くか、何で書くかが大切な人もいるかもしれません。

記憶は五感の情報です。
ですから、君は五感をどのように使って、どのような組み合わせで行うと、効率的に暗記できるのか。
この機会にそんなことを探求できるかもしれません。


勉強だけではありません。
人間関係に目を向けることもできます。

親や兄弟、家族とじっくり話をする時間にできます。
自分の思いを聞いてもらったり、相手の思いを知ったり。
そして、この機会にそうするということは、普段どれだけ家族の時間を大切にできていないかという気づきになるかもしれません。
反対に、家族からどんなに大切にされていたのかと気づくことになるかもしれませんね。

あるいは、友だちと会えない残念さに目を向けてもいいかもしれません。
その残念さは、それだけその友だちが大切な存在なのだと気づかせてくれます。



臨時休校だから気づけること。
臨時休校が役に立つこと。
臨時休校という出来事の、プラスの価値に目を向けていきましょう。


そして、最後に。
きっとまだ先の話ですが、君もいつか人生を終える日が来ます。
どれくらい先かはわかりませんが、それでも必ず来るわけです。

その時、どんなことを思うでしょう?
「もう少し生きたかったな…」
そう感じるんじゃないでしょうか。

それなら、今、このときを大切に生きませんか?

寿命を一日伸ばすことよりも、今日という日を大切に生きる方が確実です。
それには、受け止め方を変えること。

今日一日、君はどのように生きますか?

 

執筆者:カウンセリングMaNa 心理カウンセラー 高島 昌彦

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