【高島心理カウンセラーのつぶやき】

行き場なく置かれた品

高島心理カウンセラー

2018/5/30

何度か転院を繰り返している知人が、病院によってはお礼を受け取ってくれないと嘆いていました。
病院に限らず、学校など多くの機関が金品を受け取らなくなって久しいと思っていましたから、私としてはむしろ、いまだに受け取る病院があることに驚きました。

ネットでその辺の事情を調べてみると、大病院ほどシステムとして受け取らない。
後は現場(その人?)の運用のようです。
何があっても一切受け取らないとしているところから、原則受け取らないがこっそりとであればといった感じまで。

知人としては、大病院でもこっそり渡せば受け取ってもらえるという感触を得ていたみたいです。
それが今回受け取ってもらえなかった。

受け取ってもらえなかった品を他の誰かに渡すというのも失礼な話ですし、自分にというのも気が進まない。
渡すはずだった品が行き場のない感じでしばらく置かれていました。

 

病院もビジネスですから、そのサービスの対価として患者は金銭を支払う。
だから、それ以上渡す必要ないというのはもっともなんです。
ビジネスとしては。

ですが、心の方はそうはいかない。
サービスとその対価としての金銭だけでは済まない思いが生まれるんです。
感謝といってもいいし、つながりといってもいい。

例えば、ベッドやテーブルの周りを拭くのだって、ただ拭くのではなく、
「今日はお天気がいいですね」などと声をかける。
何気ないことのようですが、病気と孤独に戦っている患者には、人とのつながりを感じる瞬間。
場合によっては、「生きている!」という実感を感じるときにだってなるんです。

こういった言葉がけをサービスの一環だ(つまり金額に入っている)と言われればそれまでかもしれませんが、患者の側に感謝の思いがわくのは自然なことでしょう。
そして、その感謝の心の行き場はあった方がいい。

制度してはいろいろと難しさはあるのでしょう。
そうなると、「一切金品は受け取りません」というのが一応のルールになるのかもしれません。
ですが、金銭のほかにお礼も当然というのはどうかと思いますが、渡したい人は渡せるという方が人間性には正直なのではないかなあと思います。
サービスを提供する側も、お礼のあるなしにかかわらず職務を果たすのが、プロフェッショナルなわけですし。
私としては、そんな社会の方が好ましいなあと思っているようです。


執筆者:カウンセリングMaNa 高島 昌彦

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