【コミュニケーション】

優しさを断らない

高島心理カウンセラー

2018/12/27

会社の通帳の手続きで郵便局に行きました。
個人の通帳と違い、多少(?)手続きがやっかいです。

幸い高校の同期が近くの郵便局に勤めているので、彼のところで以前通帳を作りました。
で、今回も彼のところにお世話になったわけです。

今回行ったのは名称の一部変更。
「こころと体のカウンセリングMaNa」から「カウンセリングMaNa」へ。
「こころと体の」を取りたかったわけです。

ちなみに、店名に「こころと体の」と冠していたのは、体の不調を訴えて来店されるお客様がかなり多いからです。
こころの不調よりも多いでしょうか。
私もうつがひどかった時には、全身に電気が走る感覚とか、めまいとも言えない”ふわふわした感覚”など、原因不明の身体の症状がずいぶん続きました。
ですから、こころに大きなストレスを感じている方に、体の症状が起こることはごく普通のことです。

そして、そもそもの原因が体にないわけですから、いくら薬を飲んでも改善されません。
だから治らない。
でも、メカニズムとしては単純なんです。
心理的ストレスが体に影響を与えているわけですから、そちらを取り去ればいい。
そこで、私たち心理カウンセラーの出番というわけです。

今回会社の名称から「こころと体の」を取ったのは、そちらの身体的症状を入り口とするお客様の受付をやめたからではありません。
その理由は、単に長いから。
文字にするとそうでもないのですが、口にすると結構な長さです。

私も丹下坂先生も、どうもまどろっこしいのは好みではない。
シンプルな方が好きなようです。
長いから名称を変えるというのは、珍しく好みがあった例かもしれません。

幸い、身体的症状を訴えて来店されるお客様は、ホームページのお客様の声を見たという方、
何より口コミや知人から聞いてといらっしゃる方がとても多い状況です。
だから、これなら店名から”体”という文字がなくなっても大丈夫かなという判断。

こういった経緯で、名称を変更することとしました。
そして、冒頭の郵便局での手続き。

名義から”ココロトカラダノ”を取るだけです。
取るだけなんですが、​事前にその高校時代の同期の友人に電話で確認したところ、かなり面倒そう。
いろんな書類や手続きが必要になりそうです。
さらに、それを電話で伝えるとなると、相当厄介になりそうです。

彼の勤める郵便局までは会社から往復約3km。
2往復すると6km。
いつも二人が趣味で行うランニングは5~10km。
2度行けばいいではないか。
電話で彼を煩わせるより、
直接郵便局で尋ねよう。
その方が彼にも迷惑にならない。
そう判断した私たちは、走って郵便局へ。
初めから2往復する予定で。
振り返ってみると、この時点で結末はすでに決まっていたようです。

郵便局に行くと、詳しく調べておいてくれた彼のおかげでスムーズに事が運び、必要な書類もわかりました。
その書類の準備のために一度会社に戻り、再び予定通り走って郵便局へ。

二度目の郵便局はちょっと雰囲気が違いました。
いえ、郵便局の雰囲気は違わないはずです。
違ったのは、自分の心持ち。

必要な書類を渡しのんびりと椅子に座って待っている私たちと対照的に彼は忙しそうです。
書類を確認してはあちらに電話をしたり、別の担当の方と掛け合ったり。
会社の名称変更というのはめったにないでしょうから、それだけでも大変なはずです。
しかも師走の郵便局。
考えてみると、彼は私たちの事案にその日の間、ずっとかかりきりです。

それでも、いやな顔一つせず対応してくれる彼。
それどころか、「何度も来させて悪いね」とこちらを気遣ってくれる。
申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

彼の人柄か、その郵便局は職員の誰もが感じのいい方ばかりなんです。
昔から郵便局は感じがよいところが多いですが、その中でもここはピカ一。
この時もそうでした。
別の窓口の女性がずっと待っている私たち、しかも二度も雪の中を走って来店した私たちを気遣い、
「のどが渇いていませんか。季節柄、のどの調子を崩しやすいですし」
と飴を勧めてくれました。

申し訳ない気持ちの私たちは、間髪入れず断りました。
「いいえ。いいです」と笑顔で。

しばらくすると、隣の丹下坂先生がぽつり。
「私、何で断っちゃったんだろう。せっかくのご好意を…」

確かにのどは多少渇いていました。
ですが、それは走ってきたから。
だから飴はその時いらなかったんです。
かえってのどが渇いてしまう。

それに彼にずっと私たちの仕事だけをさせてしまっている。
そんなに大きな郵便局ではありませんから、彼が私たちの仕事につきっきりになる間、その彼女をはじめ別の職員に負担がかかるわけです。

申し訳ない。
それでなくても迷惑をかけているのに、飴までいただく訳にはいかない。

今、飴が欲しいわけではないし、断る方が遠慮を表せる。
とっさにそう思って、断ったんです。
「いいえ。いいです」と笑顔で。

ですが、彼女の気遣いはうれしかった。
そんな小さなやさしさに溢れているからその郵便局が好きなわけです。
けっして、高校の同期がいるからというだけで、その郵便局を利用しているわけではない。

ところが、私たちはその気遣いへの感謝は表現していない。
こころ塾を主宰したり、コミュニケーションを人に伝える仕事をしているのに、全然できていない自分たちがいました。

もちろん飴を断ったところで窓口の彼女は気分を害していないでしょう。
こちらもにこやかに断りましたから、何も気にしていないはずです。
でも、だからこそ、もらえばよかった。
「ありがとう」と満面の笑顔で。

飴が欲しいんじゃない、飴を受け取ることを通して、彼女の優しさを受け入れるんです。
そしてその優しさをもらった感謝を伝える。
些細なことかもしれませんが、大切なことだと思います。


執筆者:カウンセリングMaNa 高島 昌彦

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