【コミュニケーション】

自分の当たり前と相手の当たり前

丹下坂心理カウンセラー

2019/2/5

マラソン大会ではその距離に関わらず「エイドステーション」というのが設けられています。水、スポーツドリンクなどの飲み物、距離が長くなってくると果物やおかし、漬物といった糖分や塩分を多く含んだ食べ物も用意されている大会もあります。
近年のマラソンブームにより、ご当地グルメを提供する大会もあり、ランナーの楽しみの一つにもなっています。

当社がある函館でも毎年7月初旬に函館マラソンが開催されていますが、最近では、がごめ昆布飯、味噌ラーメン、チーズケーキ、羊羹といった函館グルメが提供されています。
もっとも、私は参加していないので、これらのグルメにはまだお目にかかれていませんが・・・

一方で、海外の大会でも同じように「エイドステーション」が設置されていますが、日本と比べ、とても簡素。水やスポーツドリンクの提供はありますが、エイド食は日本ほど多彩ではありません。

参加者にいかに楽しんで走ってもらうかという日本に対して、いかに安全に大会を運営するかという海外。日本と海外ではおもてなしの観点が違うのでしょう。目標や目的が違うと言ってもいいかもしれません。

しつけや教育に目を向けてみます。
親が子どもに期待する像として、「自立」が第一に挙げられる海外。「人に迷惑をかけない」という項目が挙がる日本は極めて珍しい社会、文化を持っていると言えるでしょう。

 学校での授業も個々の意見発表の時間が軸となって展開していく海外と、教師の一方的な教授法で進んでいく日本というように、教育システムにおいても大きな違いが見られるのは周知の事実ですね。

マラソンでのエイドステーションの例やしつけや教育の例からもわかるように、海外と日本ではその様子は随分と違うことがわかります。
どちらが良くどちらが悪いということもありませんし、またどちらが正しくどちらが間違っているということもありません。
「当たり前」が違うということです。そしてその「当たり前」が多いことが集まって、その地域や国の「常識」となります。

この「常識」ですが、国の間にだけ起こるものではありません。
私たち日本人同士でも、育った環境が違えば、その「常識」は全く違うものになります。

私の家ではトマトはくし切りにするのが普通だけど、彼の家では輪切りに!
一日の終わりに全部が終わってからお風呂に入ってゆっくりしたいのに、彼女の家では夕ご飯前にお風呂!
あの子と待ち合わせするといつも時間ギリギリ、5分前くらいに来るのが普通よね!
実にたくさんの「当たり前」が違うわけです。

ところが面白いことに、この周りの「当たり前」は、時間の経過とともに慣れるんです。自分が「当たり前」と思ってきたそれらは、今まで何度となく繰り返し繰り返しやってきたことで、今では自動的にそれが発動されるだけ、つまり経験によって慣れただけのことです。

スマホだって10年前にはとても珍しいものだったはずです。ところが今は、大人はもちろん、子どもの間でも持っているのが当たり前になっています。

先ほどの遅刻するする相手に対しても、いつも時間ギリギリ!と怒りが込み上げてきていたのが、どうせまた遅れるよね、そして、遅れるだろうから私も30分遅れて行こうなど、対策まで練るようになります。

あなたはあなたの歳の数だけ、自分の「当たり前」で過ごしてきたわけです。周りの人も同じです、その人の歳の数だけその人の「当たり前」で過ごしてきたのです。
面喰っているのはあなただけではありません、言動に出す出さずに関わらず、相手も同じように戸惑っています。

不満を口にするのは簡単です、問題を抱えストレスを生むことも簡単です、ただ不満やストレスを持ち過ぎると体はもちろん、こころにもその影響が及びます。
この「当たり前」の違いから誰かとトラブルになったら、ちょっと頭の片隅にある言葉を思い出してみませんか?

「私も面喰ってるけど、あなたもよね!?」、と。


執筆者:カウンセリングMaNa 丹下坂 愛実

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