【コミュニケーション】

プレゼントの本当のお返し

丹下坂心理カウンセラー

2019/3/21

お隣にSさんというご夫婦が住んでらっしゃいます。
元々は隣の住人に過ぎなかった間柄が、今では、BBQやおすそ分けをする関係です。
きっかけは、とある冬、父を通じてです。

私の自宅の駐車場とSさんの住むお宅の駐車場は隣接しているのですが、冬に雪かきをしていた際、高く積み上げた雪がSさんの駐車場に崩れ落ちてしまいました。
父は、「これは多大な迷惑をかけてしまう」と思ったのでしょう。
せっせとSさんの駐車場の雪かきを始めました。

父からすれば、自分の家の敷地にあった雪を戻している作業でしたが、Sさんからすると、Sさんの敷地の雪かきをしていると映ったのでしょう。
仕事から車で戻られたSさんは、父のそんな姿を見るや否やすぐに車の中から降りてきて、
「すみません!家の駐車場の雪かきまでして頂いて!ありがとうございます!」
猛吹雪の中、そう大きな声で言い、ご自宅へ入っていかれました。

冬の雪かきはまだまだ続きます。
次の日、また父が早朝から雪かきをしています。一人で雪かきをしているはずが、何やら外から話し声が聞こえてきます。
窓越しに外を見ると、Sさんのご主人と父が一緒に私の自宅の駐車場の雪かきをしているではありませんか!

作業を終え戻ってきた父に事情を聞いたところ、
「広い駐車場をお父さん一人で大変でしょう。一緒にやりましょう。」
そう言って手伝ってくださったとのこと。

きっと、前日のことをSさんは奥様から聞いてらしたのでしょう。
行動としては「雪かき」という動作ですが、実に気持ちのいいこころのやり取りができる方たちに、冬の寒さの中にもほっこりするものを感じました。

先日、こんなこともありました。
自宅のインターホンが鳴り、カメラ越しに、Sさんの奥様がいらっしゃるのが見えます。
玄関まで行くと、
「バレンタインデーが近いので、ほんの少しですが皆さんでどうぞ」
と、プレゼントを持ってきてくださったのです。

ところが、ただのバレンタインデーではない!そこには、確実に年齢と好みを推測したでああろうと思われる品物が入っていたのです。ただ単に、「皆さんでどうぞ」のモノではなかったのです。

そしてその一か月後、ホワイトデーのお返しにと、ささやかではありますがお届けにあがったところ、
「かえって気を遣わせてしまったみたいで・・・」
と、ここまではよくある会話ですね。

Sさんの奥様はにっこり笑って「有難く頂戴します!」
こちらの気持ちを実に快く受け取ってくださったのです!

「つまらないものですが」
『気を遣わせて』
「いえいえ、そう言わず」
『いつも頂戴してばかりで』
「いや、本当に些細なものでお恥ずかしいのですが・・・」
長いやり取りがあって、やっとモノが人から人に手渡されるのが一般的ではないでしょうか。

遠慮、謙遜は日本の美徳であり、大切にしたい感覚です。
一方で、気持ちよく相手の気持ちを受け取ることが相手の喜びを倍にすることも心に留めておきたい感覚だと思いました。


執筆者:カウンセリングMaNa 丹下坂 愛実

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