【コミュニケーション】

子どもたちからのクリスマスプレゼント

丹下坂心理カウンセラー

2018/12/29

クリスマス。
あちらこちらがカラフルに彩られ、クリスマスソングが流れる街中を家路に急ぐ、一度はそんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
2018年、皆さんどんなクリスマスを過ごされたのでしょう。
友達、カップルそして、家族で楽しく過ごした方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
中には、それどころじゃない!年末は仕事で忙しいんだ!、そういう方もいらしたことでしょう。

わたしは毎年、甥っ子や姪っ子たちとわいわいのクリスマスパーティで楽しい夜を過ごします。
12月に入ると、クリスマスで食べたい物のリクエストが入ります。
「エビフライ!」
「ちびバーガー!」
「パエリア!」
「チャイチキは絶対ね!」

パーティが近づくと市内のスーパーに買い出しに走り、せっせと仕込みを始めます。当日は仕事の合間を縫ってご注文の品々を作っていきます。いつも時間の余裕がないので、作っている最中はてんてこ舞い!それでも子どもたちの嬉しそうな顔を想像すると、大変な作業も楽しくさえ思えてくるから不思議です。

パーティは子ども中心で進みます。ビンゴ、クイズ、その年の自分に起きた10大ニュースの発表などなど。もちろん、プレゼントもあります。

そんな賑やかな雰囲気の中、母は「大人も楽しんで」ということで、大人向けの一品を作ってくれます。「海鮮カルパッチョ」、毎年決まってクリスマスのテーブルに並ぶ品です。

ところが、今年は母が他界してしまったため、クリスマスの大人の定番である「海鮮カルパッチョ」はテーブルにその姿がないのです。
子ども中心の料理では大人が飽きてしまうため、「海鮮カルパッチョ」を作ろうか、買い出しの時に迷いました。迷いに迷った挙句、買わずに帰りました。

確かに材料さえ買ってくれば「海鮮カルパッチョ」は誰でも作ることができます。しかし「海鮮カルパッチョ」は母の料理であり、わたしは母がいないことによって母の存在を感じたかったのです。

同じ料理を食べた時に、人は、
「これ、よく〇〇が作ってくれたよね。懐かしいね」
などと、亡き人のことを偲ぶと思います。

人は唯一無二の存在であって、誰もその人の代わりになることはできない、たとえ料理だったとしても。その思いから、「海鮮カルパッチョ」は母の料理、だからもう作ることはないし、無いことで亡き人の存在を大きく感じたかったのです。

ところが、いざパーティが始まってみると、笑顔にはじける子どもたちの顔。どれもこれも母が愛してやまなかった孫たちの笑顔がそこには溢れていたのです。

「海鮮カルパッチョ」がなくとも、大人たちは美味しそうに目の前の料理に箸をつけ、子どもたちも楽しそうに笑っている。そんな姿を見た時、
「無いのではない、在り続けるからこそ気づけないだけなのかもしれない」

子どもたちは、そこに存在していないということに固執していた自分に気づかせてくれました。姿かたちではない、目に見えないもの、それこそがもっとも大事なものだということを。

子どもたちから素敵なクリスマスプレゼントをもらいました。


執筆者:カウンセリングMaNa 丹下坂 愛実

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