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ー こころの相談室 ー カウンセリングMaNa
〒041-0844 北海道函館市川原町1-8
2019/11/20
先日、スーパーで買い物をしてレジで並んでいる時、前に並んでいる30代と思しきご夫婦の会話が耳に入ってきました。レジ付近にあるフライパンに目がいったようです。
女性:「うちのフライパンもそろそろ焦げ付くようになってきたよね。この色、きれい!でもこっちも落ち着いていていいよね。どっちがいいと思う?」
男性:「どっちでもいいんじゃない?別にフライパンの色で料理がおいしくなるわけでもないし」
女性:「そうだけど・・・」
女性はとても不満顔。一方で、男性のほうは至って普通。
そのまま会話は終了し、買い物の清算をしていました。
さて、この女性、なぜ不満顔になったのでしょう?
女性の「言葉」を大切にする、という観点で見ていくと、
「確かに、このフライパンきれいな色だね。こっちは落ち着いてる感じがするね。」
と、言葉をそのまま返してもよかったかもしれません。
女性の「気持ち」を大切にする、という観点で見ていくと、
「家族のためにおいしい料理を作ろうと考えてくれてるのかな。」
こう言っても、不満顔にはならなさそうです。
「言葉」でも「気持ち」でも、相手の大切にしていることを大切にするとは、こういうことです。
男性の「どっちでもいい」という言葉は、
女性の「きれい!こっちは落ち着いていていいよね。」
という、フライパンの色に関しての女性の意見を否定しています。
「フライパンの色で料理がおいしくなるわけでもないし」という言葉に関しては、
毎日(おそらく)、家族のためにご飯を作っているであろう女性の行動を否定しているように感じます。感謝の気持ちがない、そう感じた人もいるかもしれません。
いずれの言葉も、女性の大切にしていることを大切にしている感じは得られないでしょう。
男性は悪気があって言った言葉ではないことは確かのようです。
本当に「どちらの色でもいい」のでしょうし、確かに「フライパンの色で料理がおいしくなるわけでもない」、それも事実でしょう。
ただ、思ったこと、事実を言ったに過ぎないのです。
ここが、相手との関係に不和が生まれる瞬間です。
つい先日、自分の身にも同じことが起きました。
師と仰ぐ方に、仕事のことで依頼のメールをしました。
ところが、大変に激怒したメールが返ってきたのです。
言葉遣いに間違いはない、文章も難解ではない、依頼内容も難しいことではない。
ところが、メールという誰が打っても画一的な文字にも関わらず、その一つひとつの文字からは巨大な怒りのエネルギーが伝わってくるのです。
「やらかした」のは明白です。
相手が激怒しているのですから。
ところが、「何を」やらかしたのかがわからない。
聞くわけにもいきません、だって、怒ってるんですから。
何度も何度も自分の送ったメール、師から返信されたメールを読み返し、相手を感じます。
そうすると大変なことやらかしてしまったことに気づきます。
「師が大切にしている(であろう)ことを、ないがしろにしてしまった」ことに。
先のスーパーの男性と同じように、当然、悪気があって言ったのではありません。
しかし、相手を傷つけてしまったことは紛れもない事実です。
私の場合は誤解もあったため、それを伝えると共に、師が大切にしていることを全く無視し、自分の要求ばかりしたことを謝罪しました。
目上の方ですし、内容も許される範囲を超えています。
すると、師は、私の言わんとしていること、つまり、大切にしていることを汲み取ってくださったのです。
依頼を受け容れてくださっただけでなく、応援しているという言葉まで掛けてくださったのです。
自分が大切にしていることを壊した相手を応援する、これはなかなかできることではないはずです。
さらに、昨日の私の誕生日にはメッセージまで送ってくださいました。
人と関係を築く、人の向上心を育てるとはこうするもと、身をもって教えてくださったように感じます。
そして、師に対する人としての度量の広さ、温かさを感じずにはいられません。
皆さんは身近な方と気持ちのいい関係性を築けていますか?
相手が大切にしていることを大切にできていますか?
執筆者:カウンセリングMaNa 丹下坂 愛実
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