【コミュニケーション】

コミュニケーションの表と裏

丹下坂心理カウンセラー


2020/6/29

人はコミュニケーションツールとして「言葉」を使います。話し言葉であれ、書き言葉であれ、意思の疎通を図るには、言葉を介する他に手段がないように思います。

たとえ察知したとしても、そうに違いないと確信したとしても、当の本人に確認し、本人の言葉を聞かない限り、憶測の域を出ることはないでしょう。

では、この「言葉」のどこに「表と裏」が存在しているのでしょうか。

昨年のお盆、結婚20年近くになる友人夫婦の会話を例に挙げてみましょう。

妻:「家は、子どもが遅くに生まれたじゃない?(小学2年生男児、4歳男児の二人)まだまだ手がかかるし、二人とも男の子だからやんちゃでね。私も若くないし、毎日が体力勝負なのよ!」
そう私に話している間、夫は、ビール片手にテレビを見ています。

妻:「旦那の仕事、最近は残業続きで遅くてね。疲れているのはわかるけれど、休みの日くらいちょっとだけでも子どもの面倒をみてもいいと思わない?」
同意を求められます。

妻:「家事もさぁ、ご飯支度、掃除、洗濯、全般的になんもやらないのよね!」
段々とヒートアップしていく妻に、夫が反応します。

夫:「風呂掃除は俺がやってるだろう。」
妻:「それぐらいやってもいいんじゃない?他の事は全然やってないんだし。でも、風呂掃除って言ったって、目に見えるところをササっていう感じだし。」
間髪入れずに、妻が言います。

これが、コミュニケーションの表側です。

妻の訴え
・子どもの世話が大変
・育児、家事を夫が手伝ってくれない

コミュニケーションの表側とは、文字通り、表面に出ている言葉のことです。

一方、コミュニケーションの裏側は、どこにあるのでしょう?

コミュニケーションの裏側は、裏というだけあって、表面には出てきません。
つまり、心理面(感情面)に表れてくるのです。
「相手に伝えたい、本当の気持ち」と言えばわかりやすいでしょうか。

妻の「子どもの世話が大変」、これは、夫にどんな気持ちを伝えたいのでしょう?
・一人で子育てを頑張っている自分を褒めてほしい
・「頑張っているね」とねぎらって欲しい
・「ありがとう」と感謝の言葉をかけて欲しい
この辺りが、夫に伝えたい本当の気持ちではないでしょうか?

夫の「風呂掃除は俺がやっているだろう」、これは、妻にどんな気持ちを伝えたいのでしょう?
・妻にばかり負担をかけ、自分だけのうのうとしているほどの卑怯者ではない
・仕事、家事、家族のため、自分だって出来る範囲できちんと役割を果たしていることを認めて欲しい
もしかしたら、毎日育児に家事に孤軍奮闘してくれている妻のことを少しでも手伝いたい、あるいは、家庭の中に自分の居場所が欲しい(家事をすることによって家庭内での自分の存在を確認できる)
そういう思いからの行動かもしれませんね。

妻にせよ、夫にせよ、これらの思いは、コミュニケーションの表側には決して表れてはきません。
この、「相手に伝えたい、本当の気持ち」こそが、コミュニケーションの裏側なのです。

人とコミュニケーションを取る時は、表側で表現するのが一般的ですね。
その表側の言葉が浮かんだ時、「裏側の言葉って?」、そう自分に問いかけてみてください。
きっと、口をついて出てくる言葉も違った表現になっていますよ。

さらに、その先を想像してみてください。
裏側のコミュニケーションで会話をすると、家庭がどのようになっているのか。
こころがほわっと温かくなって、ちょっとリラックスしてきませんか?

皆様からよせられた感想

  • 今、実践している最中です。自分の言葉の裏側にある、相手に本当に伝えたいと思っていることは何なのかに気づくことができると、パートナーへの伝え方も変えることができ、相手の言葉や行動も変わってきますね。
    それは日常の一コマで、小さな変化に見えますが、その変化はこれまでの自分の当たり前を続けていたら、決して起きない大きな変化でした。気づくことも伝えることも、まだ慣れませんが、続けていきます。
    それを知ることができて、本当に良かったです。
  • 「言葉」はコミュニケーションにおいてとても有効であり、同時になかなか厄介なものですね。
    私の場合、言葉じりに引っ張られて、相手の裏側の気持ちに思い至らないこと、自分の気持ちを自覚できていないことがしばしば…

    ただ後になって振り返った時に気づくことも以前よりは増えてきて、そんな自分を許せたり、自分自身と出会えた感覚になることがあります(言葉で説明するのは難しい)

    そうすると不思議と相手の見え方が変わってくることも

    まだまだ試行錯誤しておりますが、そんな今が幸せだとも感じます。
    皆さんへの感謝とともに、これからもよろしくお願いいたします✨

  • 言葉の裏側…
    憶測にも色々種類があると思います。
    わたしの場合は
    マイナス思考からの憶測が多いと再確認。
    この場合は言葉通りに受けとる方がまだマシだったりして。
    プラス思考にシフトしていきたいです。
    そうなれば
    自分も
    受け入れにくい言葉の主も
    ハッピーだろうな、と感じました。
    人それぞれの背景を思うと
    色々なキモチが生まれてきますね。
    改めて
    どう受けとるのも自分で決められると感じました。

  • つぶやきを拝読し、言葉は他者との大切な接点の一つであるとあらためて感じました。
    相手との関係性により、接点が多い(時には「面」になる)事も、また、少ない事もあると思います。
    しかし、接点の多少に関わらず、他者との関係は自分を取り巻く環境の一つであり、その環境と自分との交互作用を媒介する一つが、相手と交わす言葉であるのではないかと考えました。
    相手とのコミュニケーションにおいて、言葉は相手との交互作用に影響する事を頭に置いておく事で、良好な関係の礎の一つに出来るのでは?と感じた次第です。
     
    何時も大変興味深い示唆を頂き有難うございます。
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