受験勉強という過程

高島心理カウンセラー

2019/2/20

受験シーズン真っ只中です。
インフルエンザの流行るこんな時期に行わなくてもとは思いますが、この国で生きていく以上、受け入れるしかなさそうです。
少なくとも、まだまだしばらくは。

さて、受験勉強というと、どんなことが思い浮かぶでしょうか?
深夜遅くまでの勉強
知識偏重
丸暗記ばかり・・・
そんな声が聞こえてくるかもしれません。
確かに首をかしげたくなるような問題に出会うこともしばしばです。
「これって受験のための勉強だよね。絶対に将来社会で使うことはない」というような。

さらに受験ですから、必ず結果が出ます。
それは点数であったり、順位であったり、偏差値であったり。
そしてもちろん、志望校の合否という形で。

一方で、なかなか注目されることはありませんが、過程があります。
受験勉強にも。
そして、過程に目を向けると、私は受験勉強も悪いものでもないなと感じてきます。

今年のMaNaの不登校サポートでもこんなことがありました。
中学生の男の子が、受験が近づいてきたので回数を大幅に増やしてほしいと私に頼んできました。
金額が増えることを伝えると、もう保護者の了解も取ってあると言うのです。
私は、彼がお年玉やお小遣いをたくさん貯めていることを知っていたので、こう尋ねてみました。

私:「じゃあ増える分を自分のお金で払う気ある?」
彼:「絶対ヤダ。大金だもん。」
私:「だよね? だったら、お母さんだって本当は嫌なんじゃない?」
彼:「親はお金あるから大丈夫だと思う…」
私:「確かにお父さんお母さんは〇〇君よりたくさんお金を持ってると思うけど、それってお父さんお母さんが自由に使えるお金なのかな? 〇〇君の一万円とお父さんお母さんの一万円って価値が違うのかな?」
彼:「…うーん、一万円は一万円だと思う…」

彼からすると、勉強をするのはよいこと、だから親もお金を出すのは当たり前と思っていたようです。
それに親は彼が手にしたこともないような金額のお金(生活費等)をよく扱っていますし。

決して傲慢な感覚ではなく、受験があるのは前々からわかっていたことだし、親とは必要なものにお金を出すものだろう、それは当たり前のことなんだろうという感覚で。

その後彼が母親に尋ねると、金額が増える分は蓄えていた貯金があるので大丈夫とのことでした。
ただ予想していたより少し金額がかかるので、その間はご両親のお小遣いが少し減るのだとか。

自分は自分のことなのに自分のお金は使う気にならない。
なのに、両親は自分のお小遣いを減らしてまで、自分の将来のために使ってくれている。

「先生、俺ってすごい幸せ者みたいです」
そう彼が教えてくれました。

その表情からは、両親から大切に思われているという安堵と自信が伺えました。
当たり前のようで、普段なかなか感じられていないことなのもしれませんね。

結果ばかりでなく、過程に目を向けることで、見えてくるものがたくさんあるはずです。

将来のためにがんばる自分。
がんばりたいのにがんばれない自分。
がんばれば自分の未来が変わるという、自分で人生を切り開く感覚。
がんばってもどうにもならないこともあるという、受け入れるという感覚。

誰も助けてはくれないという孤独感。
支えてくれる人がいるという安心感。

一生懸命に生きるという過程そのものに価値があるように感じます。

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