礼節を重んじる「外国人」!?

丹下坂心理カウンセラー

2017/12/12

海外旅行へはいつも一人で出かける。

数年前の旅行先は、スペイン。
目的は、大西洋を見ること、歴史的な街並みと建築物を見ること、クラシコ(スペインサッカーリーグ)を見ること、そして美術館巡り。
 

何とも欲張りな内容だが、それが個人旅行のいいところ。
朝から晩まで自由に動けるのである。

滞在先のホテルから地下鉄に乗ってもいい距離だったが、そうすると街並みを見る楽しみが半減どころか、全くなくなってしまう。
というわけで
1時間以上かけて、歩いてプラド美術館へ。 

開館後すぐの時間帯に着くが、そこにはすでに長蛇の列が。
最後尾を訪ねると、はるか後方を指さす。待ち時間を聞いてみた。
1時間くらい」
すぐにあきらめて後日にすることに。
何故ならスペイン人の
1時間は「わからない」を意味するからだ。
時間は目安であって全く当てにはならない。
 

とは言うものの、待ってみるのも面白いかもしれない。
気を取り直し、はるか彼方の最後尾へ。
英語、スペイン語、イタリア語、中国語、韓国語・・・、世界各国の言葉があちらこちらから聞こえる。
さすがは世界三大美術館と言われるだけのことはある。
 

人の話に耳だけ参加したり、抜けるような青空を眺めたり、街ゆく人を観察したり、そうこうしているうちにやっとのことで入場することができた。 

とても1日で見て回れる広さではない。
あまり興味がないものは素通りし、お目当ての作品へと急ぐ。

昔はどんな施設でもガイドが声を張り上げて説明をしていたので、ガイド料をケチるために、見たい作品の前では理解できる言語の団体を探し、にわか団体客の一員の顔をして「ふむふむ、ほおほお」と説明を聞いていたのものだが、昨今は、ITなるものの劇的な進化により、一人ひとりに小型の携帯ラジオのようなものが渡され、団体客はイヤホンを通じてそのガイドを聞く仕組みになっている。 

当然、ガイドも声を張り上げる必要がないため、普通かあるいはそれ以下の小声でボソボソと話している。
こちらとしては非常に聞き取りづらく、しかもガイドのすぐ近くに陣取る必要があるため、それはとても勇気のいる行為となる。
最も、音声ガイダンスのレンタル料を払えばいいだけの話なのだが・・・

見たい作品も大方見終わり、そろそろ出口に行こうとした矢先、奇妙な団体客が目に飛び込んできた。奇抜な服装をしているわけでもなく、聞きなれない言語を話しているわけでもなく、とにかくその場にそぐわない団体客なのである。 

「君たち、いくつ?」
「3歳」「4歳」「5歳」
次々に答えが返ってきた。 

世界を代表するプラドに、なぜこんな小さな子たちが!?
しかも、全く作品を見ている様子もない。
当たり前と言えば当たり前である。
こんな小さな子たちが絵を理解できるはずもない。 

私の心は名だたる画家たちの絵よりも、その小さな団体客に完全に奪われてしまった。
先生と思しき人に質問せずにはいられなかった。
「なぜこんな小さな子たちが、世界屈指のプラド美術館に来ているのか?」 

「絵を見に来ているわけではないのです。公共の場を学ぶために来ているのです」
それは、全く予想だにしない答えだった。 

道理で騒ぐ子は一人もいない。
列を乱す子もいない。
3歳。4歳。5歳。」と答える時も小声だった。

その場にそぐわないと感じたのは、小さな子供だっただでけでなく、小さな子供の特徴が何一つないことに感じた違和感だったのだ。 
しかしスペインの幼少時からの公共教育にはあっぱれ!であった。 

一方、自国の日本ではどうだろう。
先日、仕事が終わった夜、近くの温泉に行った。
露天風呂で目を閉じ、一日の疲れを癒していた。
が、その静寂は長くは続かなかった。 

小学校にあがる前くらいの年齢の子だろうか、浅い湯船の中に奇声を上げながら走ってきて、泳ぎ始めたのである。
近くには母親と思しき女性が「微笑ましい」視線を投げかけている。
そこへおばあちゃんらしき人が加わった。
 

にわかに頭をかすめた期待は見事に裏切られた。
「○○ちゃん、上手に泳げるようになったわね~」 

この国は礼節を重んじる国ではなかったろうか、それが世界では称賛される理由の一つではなかったろうか。
もはやそれは過去の産物となってしまったのだろうか。

キャッキャと騒ぐ子の声を聞きながら、「3歳。4歳。5歳。」小さな声が心の中で響いていた。

 

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