【性格・こころの仕組み】

未練を残さない生き方

高島心理カウンセラー

2020/1/20

「Sold out(売り切れ)」
ハワイのホテルのフロントで宿泊予約の交渉中に突然言われた言葉です。

約1年前のことです。
現地に着いてインフルエンザに罹ったために、予定通りに帰国できないことがありました。
結局4泊余分にハワイに。
そして、その追加の宿泊の交渉をせざるを得なかったのが、一番最初に罹患し、結果的にそのとき一番状態のマシな私だったんです。

実は、私以外の人間はみな英会話ができるということで、すっかり安心して全く英語の勉強はしていませんでした。
まあハワイだから何とかなるだろうと高をくくっていた面もあります。

ところが何とか外出できるのは私だけ。
おまけに宿泊していたホテル(日本語が多少できるスタッフが何人か)は満室で延長ができない。
仕方なくネットで最寄りのホテルを2泊手配しました(私ではなく英語のできる方が英語の格安サイトで)。
ところが、医師の診断の結果、結局さらに2泊必要となった。
その段階での交渉役に私がなったんです。

動ける人間が私だけということで、仕方なくネットで予約を取ったそのホテルに出向きました。
動けるといっても体調は悪いんです。
その上さらに、もっと問題となることが起こりました。
そのホテル、日本語のわかるスタッフが誰もいなかったんです。

それなりに日本語が通じるものと思っていたのに、まったく通じません。
そして私の英語力と言えば、学校で習っただけ。
そもそも英語は苦手なんです。

対応してくれたのは、30代くらいの現地男性。
追加の2泊の交渉までは私のつたない英語力でも何とかなりました。
ところがこちらの要望としては、
・追加分も、ネットですでに手配している部屋と同部屋にしてほしい
・追加分(フロントで手配)もネットで既に支払っている格安料金と同額にしてほしい
といったことがあります。
さらにネットですでに手配してあるといっても、私ではない違う人の名前。
なのに、フロントに来ているのは私。

「だからね、確かにその日とその日に泊まりたいんだけど、そもそも前日とその前日も泊っていて…前日というのは昨日のことではなくて…泊まろうと思ってる〇月〇日の前日で…その宿泊分はもう既に取っていて…ネットで…その名前は…」
こんなすったもんだのやりとりの最中に突然出てきたのが冒頭の言葉。
「Sold out」

つい数分前に部屋があるといったのだから、こちらの要望通りの部屋があるかどうかはともかくも、部屋自体は売り切れているはずはないんです。
絶対に。

聞いた瞬間、ふざけるなという怒りがわきました。
そして、間髪入れずに、もう交渉を続けることはできないというあきらめも。

相手としても、どうにもならないと思ったんでしょう。
で、そのどうにもならないを端的に伝える言葉が「Sold out」。

とはいえ、紙に書くとか他のスタッフを呼ぶとか(呼んだところでどうなるかはわかりませんが…)、何とか客の言っていることを理解しようとする工夫はあるように感じます。
ずいぶんあっさり(?)とした対応は、文化の違いなのか、対応した彼の性格や能力なのか、あるいはホテルの方針なのか…。


結局、交渉の方は、私より英語のできる、そして私より具合の悪い人間を連れてくることで無事解決しました。
そして、後ほど、具合がだいぶ良くなった頃にそのホテルに4泊。

「Sold out」の彼はフロント係ですから、その滞在中に何度も顔を合わせました。
あいさつ程度の会話を交わすことも何度かありました。
その間、彼の方は、何事もなかったかのように、お客に対する一従業員として振舞っていました。
ですが、私としては彼を見るたびに愉快ではない思いがわきます。
「何とかわかろうとしてくれずに一方的に会話を打ち切られた」そんな感じ。
当然、心地よいものではありません。

もう味わいたくないとすれば、もう海外に行かないなど、そもそも外国人と接しないようにするか、あるいはこれから英会話を学ぶしかないでしょう。
そして私が選んだのが英会話を学ぶこと。
現在、苦手なはずの英語に、人生で初めて自分からチャレンジしています。


実は私、高校生の頃、パイロットになりたかったんです。
空を自由に飛んでみたかった。

ところがパイロットというと英語が話せなければならない。
それで、その夢をあきらめたんです。
私は英語が話せない(と思い込んでいた)から。

それくらい英語が苦手でした。
とはいえ、ずいぶんあっさりと夢を諦めたものです。

「やるだけやってみればよかったのに」そう過去の自分を軽く責めてみると、「じゃあ今は?」という思いがわいてきました。
「どうせ自分には無理だろう」そう思って何も行動しないのならば、昔も今も何も変わらないではないか。
「どうせ自分には無理」そう制限をかけているのは誰か?
誰でもない、自分ではないか、と。

そもそも、無理かどうかはやってみなくてはわからない。
挑戦してみて、それでも越えられない壁であれば、その時初めて諦めがつくでしょう。


「自分にはできない」
その制限の根拠を探ることです。
客観的なことであるなら仕方がない。
無理なものは無理だとこころから諦めがつきます。

でも、自分の思い込みで、自分で自分に制限をかけているだけだとしたら?
挑む前から、きっと超えられない壁だと自分で制限をかけるのはもったいない。
未練が残ります。
一度しかない人生なのですから。


執筆者:カウンセリングMaNa 高島 昌彦

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